中国で厳しい行動制限を伴う「ゼロコロナ」政策が転換されてから1か月。 国内メディアがすでに6億人が感染したという見方を伝えるほど、感染は急速に拡大していますが、その実態は明らかになっていません。 習近平国家主席の看板政策だったはずの「ゼロコロナ」政策が、なぜここまであっさり終わることになったのか。 一気に「ウィズコロナ」に変わってしまった中国で、いま何が起きているのか。詳しく解説します。 (中国総局記者 中村 源太) “「ゼロコロナ」終了”で何が起きた? 北京の薬局で薬を買うため列を作る人々 去年12月、厳しい行動制限から突然、自己責任での感染対策を求められるようになり、大混乱が起きました。 中国ではそれまで地下鉄に乗るのにも商業施設などに入るのにもPCR検査の陰性証明の提示が義務づけられ、市民は毎日のようにPCR検査を受けなければなりませんでした。 感染者だけでなく、濃厚接触者に加えて、