『8050問題 中高年ひきこもり、7つの家族の再生物語』黒川祥子=著(集英社)1500円(税抜)※記事の中の写真をクリックするとアマゾンの紹介ページにジャンプします 推計61万3千人。2019年3月、内閣府が発表したこの数字は、自宅に半年以上ひきこもっている40歳から64歳の全国人口です。 ひきこもりの長期化・高齢化がもたらす結果として、80代の高齢の親と50代のひきこもりの子どもの家庭が孤立化する「8050問題」は、今や大きな社会問題です。その問題の根に切り込んだのが『8050問題 中高年ひきこもり、7つの家族の再生物語』です。 子どもを“見えない存在”にする親 近所からも苦情が出るほどのゴミ屋敷に落ち武者のような風貌で住む兄と弟、排泄物にまみれた老母を1か月間放置していた前歯のない無気力な娘、毎年300万円の仕送りを25年間受け、父の遺産を使い果たしてもなお母にたかる息子。本書に登場す