東京電力福島第1原子力発電所事故に伴い、東電の発電部門と送電部門を切り離す実質的な“解体論”が焦点となってきた。電力会社の地域独占体制を崩すことで競争を促し、電気料金の値下げなどにつなげる狙いがある。電力業界はこれまでも電力の安定供給などに支障をきたすなどとして発送電分離に強硬に反対してきたが、東電への根強い批判と相まって現実味を帯びる可能性もある。 枝野幸男官房長官は16日の会見で、東電の発送電分離について「選択肢として十分あり得る」と明言。玄葉光一郎国家戦略担当相は15日に「議論を妨げてはいけない。自由に議論する必要がある」と述べた。 政府は、東電の賠償支援策に「電力事業形態のあり方を含むエネルギー政策の見直しの検討」を盛り込んでおり、今後の議論で発送電分離問題が焦点の一つになることは確実だ。 全国10社の地域独占である電力会社から送電部門を切り離せば、工場の自家発電のほか、太陽光や風