ファイナルシーズンに突入した「第三営業部」。かつて日経ソリューションビジネスに連載され、大好評を博した伝説の小説が日経クロステックでよみがえる。今回はその第29話。詐欺や裏切り、顧客のハラスメント、プロマネの失踪、そしてライバル企業の陰謀などIT業界の厳しい現実の中で奮闘するITベンダーの営業担当者の姿を描く。技術者にも参考になる「提案の極意」がここにある。 初の営業志望で入社した“期待の新人”が登場しました。ただ、この万田君、関西人らしく口は達者ですが、お調子者。軽くむかついた桜井君は、難しい交渉が必要な現場へ連れていき、仕事の厳しさを見せつけようとします。一方、坊津君や猫柳君が担当するラビット製薬の案件ですが、仕様変更の連続で追加料金も取れない原因は、どうやら昨年5月の出来事にあったようです。 地下鉄に飛び乗ったのは18時を回った頃でした。 「先輩、こんな時間からで大丈夫なんですか?」