資金管理団体「陸山会」の土地購入問題に絡み、民主党の小沢一郎幹事長のおひざ元、岩手県奥州市で建設中の「胆沢(いさわ)ダム」に注目が集まっている。同じ大型公共事業でも「ムダ遣いの象徴」として早々と中止が打ち出された八ツ場(やんば)ダム(群馬県長野原町)と対照的に、国の再検証作業の対象から外れ、工事が進む。政府は“政治的配慮”を否定するが、野党や長い反対闘争の末に建設を受け入れた八ツ場ダム建設予定地の住民らからは疑問の声が上がっている。 ■政治的配慮ない 「本体工事に着工しているかどうかで線引きした。政治的な配慮はない」 今月24日、八ツ場ダムの建設予定地で初めて実現した水没予定地区住民との意見交換会。なぜ八ツ場は中止で胆沢は続行なのか−。住民代表から繰り返し突き付けられた疑問に、前原誠司国土交通相は説明に追われた。 八ツ場ダムや川辺川ダム(熊本県)などに比べて中央では知名度が低かった胆沢ダム