BLUTUS『全世代に捧げる歌謡曲特集』2021年3月に刊行されたBLUTUSの『#全世代に捧げる歌謡曲特集』は国内のポピュラーミュージックの歴史を振り返るにあたり、1970年代から80年代を中心とした日本の歌謡曲のもつ幅広さ、魅力を深掘りする足がかりとして、重要な特集であったと思う。近年のシティポップムーブメントとも共鳴しており、まだ海外でレアグルーヴとしてリスナーを楽しませる楽曲たちがわんさか眠っていることだろうと思った(掘り尽くされているかもしれないけど。)表紙に使われ、大々的に特集されているのは、今は亡き西城秀樹である。 隔週刊行の雑誌としてはあまりにも充実した内容に読んでいて楽しくなったのだが、一方で、「歌謡曲」というジャンルについて、気になることがふたつあった。ひとつは「演歌」の存在について。もうひとつは、桑田佳祐について。 歌謡曲と演歌の関係についてBLUTUSの『#全世代に