今年1~6月に自宅で死亡した1人暮らしの人は全国で3万7227人(暫定値)いて、うち65歳以上の高齢者は2万8330人だったとする調査結果を、8月に警察庁が公表しました。内閣府の「孤独死・孤立死」の実態把握に関するワーキンググループの座長も務める、早稲田大学文学学術院教授の石田光規さんに聞きました。【聞き手・須藤孝】 ◇ ◇ ◇ ――調査結果をどうみますか。 ◆今回のデータは死後経過日数が入っているのが特徴です。公的な機関による全国調査は初めてですが、さまざまなデータを見てきた立場からは、孤立死が増えていることが明確に示されたと思います。 2011年に、ニッセイ基礎研究所が東京都のデータをもとに全国推計をした報告書がありますが、それよりも大きな数字になっています。孤立死は都市部で多いので、東京都のデータをもとにすると過大になりがちなのですが、それでも今回の数字のほうが大きかったのです。 ―