国家〈下〉 (岩波文庫 青 601-8) 作者: プラトン,藤沢令夫出版社/メーカー: 岩波書店発売日: 1979/06/18メディア: 文庫購入: 11人 クリック: 120回この商品を含むブログ (70件) を見る気が遠くなるぐらい間があいてしまったが、プラトンの『国家』について、思ったことをいくつか書いておきたい。 トラシュマコスがらみの話は長くなるので、次回以降に書くとして、ここでは、第10巻のいわゆる「詩人追放論」と呼ばれている箇所について考えたい。 訳者の藤沢令夫によると、やはりこの部分は、古来評判のよくないところのようである。 たしかに、詩と詩人に対して最も核心的な批判を行っていると思われる、次のような「ソクラテス」の言葉を読むと、ここでは詩や文芸、もっと言えばフィクションというものが一般的にもつ弊害が論難されているように思える。 「こういう事実を考慮してもらいたいのだ。――