階級社会 (講談社選書メチエ) 作者: 橋本健二出版社/メーカー: 講談社発売日: 2006/09/09メディア: 単行本(ソフトカバー)購入: 3人 クリック: 57回この商品を含むブログ (36件) を見る 「格差社会」問題における、マルクス主義サイドからの応答だけれども、一連の「格差社会」本のなかでは、頭一つ抜きん出ていると感じた。 橘木俊諮『日本の経済格差』、佐藤俊樹『不平等社会――さよなら総中流』を皮切りに「格差社会」というパースペクティヴが普及して、ご存知のように三浦展『下流社会』のようなヒット商品も生まれたりするわけだが、これら一連の著作を概観してみて、何か総じて微温的な印象を拭えない。例えば、佐藤は「そもそも自分は「格差社会」を否定的に分析しているのではない」と言明して「格差社会」批判のムーヴメントに数えられるのを嫌がっているが、しかし、だからと言って、「格差社会(批判)」