印刷標準字体とは「明治以来,活字字体として最も普通に用いられてきた印刷文字字体であって,かつ,現在においても常用漢字の字体に準じた略字体以上に高い頻度で用いられている印刷文字字体(後略)」(国語審議会 2000年12月8日答申)だそうだ。つまり、最も一般的かつ、たくさんつかわれている活字、ということになる。 印刷標準字体を認定(?)した(正しくは表外漢字字体表を作成した)国語審議会では『漢字出現頻度調査』なるものを行ったらしい。1997年(平成9年)と2000年(平成12年)というから、ほんの最近のことだ。凸版印刷、大日本印刷、共同印刷の三社が組版で使用した漢字の頻度順位や、読売新聞の紙面で使用された漢字の頻度が元データとなったそうだ。 実際につかうことで、その字が「字体表」に載るって、考えてみたらすごいことじゃない? 広辞苑の第六版に新しいことばが入るのもそう。私たちがつかうことで、それ
近頃の原稿で気になったのが「~していきます」という表現だ。 複数のライターが、異なるジャンルで書いてくる。「ひもを前に回していきます」「材料を切っていきます」など、工程を説明する、いわゆるプロセスカットと呼ばれる写真のキャプションに使われている。 「~ていく」を辞書で引くと、小学館の新選国語辞典第七版の「いく(行く)」の項に、かながきと断ったうえで「[補助動詞として「…ていく」の形で]―中略―(ウ)その動作・作用がこれからもひきつづいておこなわれる意を表す」とある。 たとえば、ここから一連の動作を説明します、という意味でつかわれるならよいのだが、ひとつひとつのプロセスで「~していきます」を繰り返すのは不自然な気がする。 (C) Nihonbungeisha All Rights Reserved 無断転載禁止 http://www.nihonbungeisha.co.jp/
それが今や、感情表現を補完するための記号になったのだろう。補わなくてはならないような「作文」しかできない自分を嘆くことになるわけだ。 私の場合、とくに気の置けない相手に自分のこの瞬間の気持ちをストレートに伝えたい!と強く思ったときに「(笑)」や「(涙)」をつけてしまう。 ただ、これも漢字一文字で伝えようとすると、けっこう語彙や漢字力を問われるのだ。感情を表現する文字「喜・怒・哀・楽・悲・嬉・驚・諦」などはストレートすぎて、スマートな感じがしない。笑いや涙のような現象、映像に近い文字のほうが様になりそうだ。 さて。「おいしそうだね(涎)」と書いたら、webmasterに「そこは(垂)のほうがいいんじゃない?」とチェックが。やっぱり私にはハードルが高いかも。 (C) Nihonbungeisha All Rights Reserved 無断転載禁止 http://www.nihonbungei
公文書には疑問符(?)や感嘆符(!)もつかわないという。さすがに私には無理なので、メールには?!だけでなく、…(リーダー)や~(波ダッシュ)、長音記号(ー)の代わりのぁぃぅぇぉなどが頻出する。 それでも足りないときは、泣く泣く「(笑)」をつかったりする。この「(笑)」、思ったより歴史があるということが、数カ月前の朝日新聞に載っていた。 朝日新聞によれば、「文藝春秋」には〈昭和初期の二七年から「(笑ふ)」や「…笑…」が使われている〉(8月5日朝刊 ことば談話室)という。(朝日は西暦表記なので、この場合の二七年は昭和2年ということになる。)「談笑風景を思い浮かべてもらう」ための一種の情景描写なら、どちらかというと脚本のト書きに近いものだったのかもしれない。 (C) Nihonbungeisha All Rights Reserved 無断転載禁止 http://www.nihonbungeis
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