全国の国立病院機構の「筋ジストロフィー病棟」に約2千人の患者が入院している。幼少期から終末期まで何十年も過ごすことも珍しくない。障害者団体などが入院患者58人から聞き取り調査をすると、男性スタッフが女性患者の入浴を介助したり、排尿が最大2時間待たされたりするなど虐待とも取れる実態が浮上。背景には職員の過酷な労働環境があり、処遇改善を求める声も上がっている。(鈴木久仁子) 「筋ジス病棟の未来を考えるプロジェクト」として2019年2月~20年9月、全国の国立病院機構26病院のうち18の「筋ジス病棟」に入院する58人(女性10人、男性48人)から対面やオンラインで回答を得た。研究者らのほか、同じ筋ジス患者も調査に加わり、11月に報告書をまとめた。 報告書は患者の日常生活や、「ドクターストップ」で行動が制限された事例、女性特有の困難さ、病棟を出て地域で暮らすことの難しさを記している。 病棟では、入