社会格差が問題となる中で、日本の貧富の格差、所得格差は、国際的に見てどの程度の水準なのであろうか。すでに途上国を含めた貧富の格差の概観については図録4650で、また主要国の格差の推移については、図録4660でみたが、ここでは、かなり厳密な定義のOECD Income Distribution Databaseに基づいてOECD諸国全体を比較したグラフを作成した。 2010年前後のジニ係数で各国を比較すると、日本は、0.336と、対象35か国中、10位となっている。先進国の中では格差の特に大きな国でもないし、格差の小さな国でもないという結果となっている。日本が格差の小さな平等な国であるといった見方があったが、これは事実に基づいておらず、もともと先進国の中では中位の国だったことは図録4660でふれたとおりである。 OECD諸国の中で最も格差の大きいのは、チリ、メキシコ、トルコといった途上国的性