兵庫県加古川市内の雑居ビルでラーメン店を構えながら、同じビル内でドラッグ販売店を経営し、危険ドラッグを売りさばいていた男(45)に対し、神戸地裁姫路支部は3月下旬、懲役1年8月、罰金200万円(求刑懲役2年6月、罰金200万円)の実刑判決を言い渡した。男は知人や客をドラッグ店の店長に据え、実質的なオーナーとして仕入れや売り上げ管理を行っていた。年間1億5千万円以上荒稼ぎしていたという。危険ドラッグによる健康被害や交通事故を受け、兵庫県は全国的にも厳しい条例制定によって販売店の取り締まりを進めているが、売買の〝地下潜伏化〟を懸念する声は根強い。男も店を構える一方で、捜査当局の取り締まりを警戒してデリバリー方式に手を染めていた。危険ドラッグの販売ルート撲滅は決して容易でない。(小松大騎) 〝兼業〟の実態 3月12日、神戸地裁姫路支部で開かれた初公判。薬事法違反(販売目的所持)の罪で起訴された同