発展途上国が抱える問題の絶好の見取り図みたいな本。 (『CUT』2005 年 4 月) 山形浩生 何度か書いたように思うけれど、ぼくは開発援助のコンサルが仕事なので、年柄年中世界中の貧乏な国をまわって、いったいどうすればここがもっと発展するだろうか、ということを考えている。 ただ、これがなかなかうまくいかない。数十年いろんな援助をしてきても一向に発展しない国はたくさんある。なぜだろう。内戦とかで国も人もめちゃくちゃになったり、せっかくそこそこのところまできてもいきなりアメリカが爆弾を落としたりする場合は仕方ないだろうけれど、これという話がなくても発展しないところが結構ある。なぜだろうか。 これに対して、反グローバリゼーションとかいうバカな運動を嬉々としてやってる連中がいて、そいつらは言うんだ。それはかつての帝国主義による植民地政策の影響が云々、とかグローバリズムで大企業がかれらを収奪してい