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ブックマーク / cruel.org (18)

  • ISISについて:池内恵と対談

    イスラム国躍進の構造と力 『公研』2014年10月号 「対話」 池内恵 VS 山形浩生 山形:イスラーム国の人たちの言動や行動を見ると、ずいぶんと前近代的で昔に戻ったかのような印象を受けます。その一方で彼らの意識には、中東の民主化への動きとも言える「アラブの春」が大きく関係しているのだと思います。池内さんは今回のイスラーム国の登場と「アラブの春」の関係をどのように捉えていらっしゃいますか。 池内:「アラブの春」が一回りしたことで中東地域に生まれた環境は、イスラーム国にとって非常に都合の良いものになりました。その環境と言うのは、中央政府の揺らぎ、弱体化であり周辺領域の統治の弛緩です。そこに、元来イスラーム国が依拠するイスラーム過激派の戦略論がぴたりと合わさった。9・11テロに対して、アメリカは大規模な対テロ戦争を展開し、イスラーム過激派は軍事的にも情報的にも経済的にも追い詰められました。それ

    morutan
    morutan 2015/01/15
  • 古代派とスコラ学派 (The Ancients and the Scholastics) - 経済思想の歴史

    西洋文明における経済の研究は、もっぱらギリシャ人が始めたものだ。特にアリストテレスとクセノフォンが中心で、それ以外の作者もちょっと貢献している。こういう人たちを、ここでは「古代派」と呼ぶことにしよう。「スコラ学派」は、13-14 世紀の神学者たち、特にドミニコ修道会の聖トマス・アクイナスを中心とする一派で、12 世紀のイスラーム学者たちの手によるギリシャ哲学再興を受けて、カソリック教会の教義を確立した。経済学の領域だと、スコラ学派が特に関心を持っていたテーマを4つ指摘できる。財産、経済取引における正義、お金、利息だ。 キリスト教の教義と私有財産の共存は、昔からあまりすわりのいいものじゃなかった。5 世紀には、初期キリスト教教会の父祖たち (the "Patricians", たとえば聖アウグスチヌスなど) が「共産主義的」キリスト教運動を打倒して、教会自身がすさまじい財産を蓄えるようになっ

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    morutan 2012/05/16
    『経済学の領域だと、スコラ学派が特に関心を持っていたテーマを4つ指摘できる。財産、経済取引における正義、お金、利息だ。』
  • イマニュエル・ウォーラーステイン (Immanuel Wallerstein)

    イマニュエル・ウォーラーステインは、世界システム学派の頭領として知られる。歴史家のフェルナン・ブローデルの成果にならい、16-17世紀以降の資主義の発展史を研究してきたのがウォーラーステインの理論の基礎となっている。資主義の発展プロセスにおいては多くの要因が相互にからみあい、世界市場に組み込まれていなかった地域や産業などが、各種の技術的な発展や制度の整備に伴って徐々に市場化してきたことが指摘される。すなわち、資主義は単に抽象的な売り手/買い手の寄せ集めとしてではなく、高度なシステムとして存在しており、絶えず発展を続けている。これがウォーラーステインの世界システム論の基的な主張である。 しかしながらウォーラーステインは、世界経済がシステムを構成している、と主張するだけで、その「システム」というのが一体何なのか、あるいはそこに内在する構造がどんなものなのか、さらにその「システム」はどう

    morutan
    morutan 2011/09/08
    この辺の説明。。かなり某情報文明論おもわせて( ^ω^)・・・ >システム変動の要因としてコンドラチェフの長期波動といったアドホックな要素を持ち込もうとするために理論的な整合性も危うくなっている。
  • 山形浩生「フォロワー数で変わるツイッターのメディア性」 - アルコムワールド コラム 2011/05

    『山形浩生の:世界を見るレッスン』 連載 64 回 フォロワー数で変わるツイッターのメディア性 月刊『アルコムワールド』 2011/07号 要約:ツイッターの持つメディアの特性は、フォロワー数によってだんだん変わる。それに自覚的でない人の多くは、自分のおかれた環境にまったく鈍感なために愚かしい醜態をさらすことが多い。が、求める水準のメディアにとどめるための作業もむずかしい。 ある人の書くものでも、あるいはツイッターのツイートでもいいけれど、長いこと見ていると、ときどきその人がだんだん——または突然——おかしくなって、ぎょっとすることがある。今回の震災と原発事故では特に、ツイッターでそんな光景が見られた。それまで普通あるいは高めの見識を持つと思っていた人が、いきなりわけのわからないことを言い、デマに踊らされ、それをたしなめられると逆ギレして相手を罵り、過去の発言との矛盾を指摘されると変な言い

    morutan
    morutan 2011/07/16
    まぁ、まったくそのとおりで「メディアになった人間」=M台さんとかやわらか戦車だったわけだけど、特に攻撃的にもならずにそれをメディア特定として認識→解決策を自分なりに模索、と。…Google+だねぇ
  • The Economist と Janes を見る限り、今回のウルムチの状況というのは - Irresponsible Rumors 2009

    最近の噂 風の噂ではございますが…… なお、リンクする場合には各コメントの日付のあとにある「id」をクリックすると、そのコメントのユニーク id が url 欄に表示されるぞ。 2009/12 マレーシアで、「おまえの下は分厚い」と怒られる夢を見た。……なんだったんだろう。 が、ベッドが快適なのでそんなに夢を見ない。ジャカルタの日航ホテルの後では、KLのシェラトンは天国のようで(お値段もそれ相応ですが)、部屋のドアを開けた瞬間、あまりの広さに部屋をまちがえたのかと思ったほど。ホテルの横の通りがなんだかバー&クラブ街で、久々にクラブを三軒はしご。手首にスタンプ押してもらうのも久々だなあ。どこも、金曜の夜一時過ぎても人の入りはそこそこ。外にはいっぱいたむろしているんだけれど。どこでもだれも踊っていないので、少し興ざめ。その通りでも、五、六軒あるクラブのうち半分が改装か売りに出ていて、経済成長

  • 『はだかの王様の経済学』は戦慄すべき本である

    研修資料の余白に:『はだかの王様の経済学』は戦慄すべきである (2008/06/16, 17 日に 注 等細かい加筆, 22日にコメントなど加筆。) 山形浩生 要約:松尾『はだかの王様の経済学』は、解説されている疎外論がひがみ屋の責任転嫁論でしかないうえ、それを根拠づける「来の姿」だの「実感」だのがあまりに恣意的で確認しようがなく、まったく使えない。そして「みんなで決め」ればすべてうまく行くというお花畑な発想は悪質なニュースピークによる詐欺であるばかりか、最後にはポル・ポトまがいの抑圧思想に直結していて戦慄させられる。 目次 序 「設備投資」は「コントロールできない」か? 疎外とはひがみ屋の天国である。 「来の姿」ってだれが決めるの? 市場を超える「話し合い」って? 「みんな」で決めればだれも不満はない? おわりに 稿への反応など 蛇足コメント 1. 序 松尾筺『はだかの王様の経済

  • 日本ではだれも気にしていないようだけれど、ケニアはもうとんでもない状態のようだ。 - Irresponsible Rumors 2008

    最近の噂 風の噂ではございますが…… なお、リンクする場合には各コメントの日付のあとにある「id」をクリックすると、そのコメントのユニーク id が url 欄に表示されるぞ。 2008年後半以降 2008/6 今日知った衝撃の映像。風車って、こんな爆発するみたいなすごい壊れ方するのか! その他 YouTubeの関連映像を見ると、どっかがこすれて黒煙をあげて止まってるのとか、結構すごい光景があちこちであるらしい。単純におとなしく止まるだけかと思っていたら、そうじゃないんだなあ。あと、ポールごとぶったおれるというのがあちことで起こってる。 (2008/6/25, id) 安藤忠雄の渋谷の地下駅ってそんなにいいですか? 「これだけ?」感漂いまくってるんですけど。安藤忠雄は東大にも新しい建物を造ったんだが、郷通り沿いにドーンとコンクリうちっぱなしの壁が迫っていて、れんがの塀との対比で監獄めいた

  • アイアンマウンテン報告

    『アイアンマウンテン報告』(ダイヤモンド社、1997年4月) 訳者解説 山形浩生 書誌 書は Report from Iron Mountain: On the Possibility & Desirability of Peace (New York: Dial Press, 1967) の全訳である。翻訳の底としては、一九九六年にフリー・プレスより刊行された新装版を使用し、これに収録されている新たな序文や書評なども加え、さらに日からの材料も加えたものとしている。 翻訳に当たっては、DEC HinoteUltra + Windows95 + ATOK8 +MS Word95を主要環境とし、松田徳一郎監修『リーダーズ英和辞典』(研究社)を主辞書として使用している。 書のなりたち 世界は完全な平和を迎えられるのか。そしてそのためにはどのようなステップが必要なのか。それを現実的かつ具体

    morutan
    morutan 2008/02/18
    「戦争のために国家が存在する」ってか「戦争があるので国家がある」って感じだと思うけど似たようなもんか | 全文だそうな cruel.org/books/ironmountain.pdf
  • 本屋にいったら、なんとレヴィ=ストロース『神話論理 I』が出ちまっていた。 - Irresponsible Rumors

    最近の噂 風の噂ではございますが…… なお、リンクする場合には各コメントの日付のあとにある「id」をクリックすると、そのコメントのユニーク id が url 欄に表示されるぞ。 2012/05 しばらく前に、カルロス・フエンテス他界。しばらく前に、フエンテスの小説やノンフィクションをまとめて読んで、もうフエンテスは一通り見切ったと思っていたが、それでもかの大作「テラ・ノストラ」は未だに期待だし、その才能と知性は刮目すべきものがあり、また一部の文のかっこよさと洗練ぶりはずばぬけたものがあった。正直いって、その洗練ぶりがかれの目指すラテンアメリカ土着的な泥臭さと相容れない面はあって、それが彼の弱点でもあったんじゃないかとも思う。ガルシア=マルケスは、発端となったおばあちゃんの昔話的な語り口があり、バルガス=ジョサは何でも力でねじふせるような野蛮さがあるし、カルペンティエールもそこらへん洗練しす

  • 今月の喝! 「ネットへの過度の責任要求と安易な削除」

    小谷野「もてない男」敦という悪くない評論家がいる。一九九八年にこの人が同性愛関係のシンポジウムに出て、他のパネリストを激怒させた。で、そのパネリストはその後、自分のウェブページに小谷野に対する長文の批判を書き連ねた。曰く「流れに関係なく、言いたいことを言っては話をわき道にそらす」「ホンネだけに頼って自分位に語り(中略)話の腰を折っていることに無自覚」。そしてこのパネリストの記述だと、小谷野はこう発言したと書かれていた:「私は以前、レズビアンからレズビアンだと告白されてそのあと(嫌悪感から)三日間吐き気が続いた」 これは一部のウェブ掲示板では話題になった。現場にいた人によれば、確かに小谷野もアレだが、むしろこのパネリストのほうが浮いていたともいう。そこから議論もあれこれ発生したけれど、でもやがてみんな忘れてしまった。 で、時は流れて二〇〇一年秋。小谷野は今更ながら、この文の存在に気がついた

    morutan
    morutan 2007/10/23
    猫な人の振る舞いについて
  • CUT 2005/4 Book Review

    発展途上国が抱える問題の絶好の見取り図みたいな。 (『CUT』2005 年 4 月) 山形浩生 何度か書いたように思うけれど、ぼくは開発援助のコンサル仕事なので、年柄年中世界中の貧乏な国をまわって、いったいどうすればここがもっと発展するだろうか、ということを考えている。 ただ、これがなかなかうまくいかない。数十年いろんな援助をしてきても一向に発展しない国はたくさんある。なぜだろう。内戦とかで国も人もめちゃくちゃになったり、せっかくそこそこのところまできてもいきなりアメリカが爆弾を落としたりする場合は仕方ないだろうけれど、これという話がなくても発展しないところが結構ある。なぜだろうか。 これに対して、反グローバリゼーションとかいうバカな運動を嬉々としてやってる連中がいて、そいつらは言うんだ。それはかつての帝国主義による植民地政策の影響が云々、とかグローバリズムで大企業がかれらを収奪してい

  • やっぱり貧乏人は合理的でないのかもしれないよ。

    (The Economist Vol 383, No. 8526 (2007/04/28), "Economic Focus: Another day, another $1.08," p. 90) 貧乏人は減りつつあるし、その貧乏にでさえ選択の余地はある――最善の選択をするとは限らないかもしれないけれど。 今月、世界銀行は、一日一ドル以下で暮らす人の数が 2004 年には 9.86 億人だったと発表した――これはそうしたひどい状態で暮らす人の数が 10 億人を下回った初めての年となる。世界銀行の極度な貧困の定義は、明快で単純で、dollar a day と d の続く頭韻にさえなっている。Journal of Economic Perspectives最新号で、マサチューセッツ工科大のアブジット・バナジーとエスター・デュフロは、これをレトリック的な名作と呼んでいる。だがこれはそんなにいい

    morutan
    morutan 2007/05/20
    条件が整ってるのにやらないとしたら負け犬根性が染み付いてめんどくさくなってるからじゃないかな。自己実現欲求が低いというか、デフレスパイラルというか・・コミットするのが怖いのだろう(結果や評価をさける)
  • 倫理的な食べ物はかえって有害かもしれない。

    倫理的なべ物はかえって有害かもしれない。 (The Economist Vol 381, No. 8507 (2006/12/09), "Good Food?" p. 10) 山形浩生訳 (hiyori13@alum.mit.edu) 賢いお買い物で世界がよくなると思ったら大間違い。かえって悪くするかもしれませんぞ。 「政府が動くのを待つ必要はありません……フェアトレードがすばらしいのは、買い物できるということです!」とフェアトレード運動の代表者が今年、イギリスの新聞で語っていた。同じように、ニューヨーク大学の栄養学者マリオン・ネッスルは「有機品を選ぶということは、農薬の少ない、土壌の豊かな、水のきれいな地球に投票すると言うことなのです」と論じている。 買い物こそが新しい政治だという発想は、確かに魅力的だ。投票箱なんかどうでもいい。買い物かごで投票しようというわけだ。選挙はあまり頻繁に

  • 木を見て、森も見てみると:森林は増えている

    (The Economist Vol 381, No. 8504 (2006/11/18), "Seeing the Wood" p. 84) Photo by **Fanch** [ Manannan ] 山形浩生訳 (hiyori13@alum.mit.edu) 森林の新しい数え方によれば、思っていたより樹木は多い。 農業や林業のための森林の伐採は、世界中でとても不安な速度で進んでいる。でも話はそれで終わりじゃない。新しい研究によれば、少なくとも比較的豊かな国では、切り倒されるよりずっと多くの木が生えてきているとのことだ。 フィンランドのヘルシンキ大学の、ペッカ・カウッピ (Pekka Kauppi) 率いる研究者団は、世界の森林にずばりどれだけ炭素が蓄えられているのかをつきとめようとした。そして1990 年と 2005 年時点の、世界の 50 ヵ国における森林の状況について国連糧農

  • 歴史家としてのフーコー キース・ウィンドシャトル (Keith Windschuttle)

    Foucault as Historian キース・ウィンドシャトル (Keith Windschuttle) (Critical Review of International Social and Political Philosophy Vol 1, No 2, Summer 1998, pp 5-35, Robert Nola (ed.) Foucault, Frank Cass Publishers, London, 1998 にも再録) 要約: フーコーの「歴史」と称するものはいい加減であり、実際の歴史とは全然対応していない。実際の歴史と並べてみると、フーコー流の「知」の考古学や系譜学はでたらめ。かつて中世にキチガイがうろついていたのは、連中が人間として権利を認められていたからではなく、人間以下の動物としか思われていなかっただけのこと。精神病院に入れたのは、別に人間以下のも

  • how to make an atomic bomb 原子爆弾のやさしいつくりかた

    原子爆弾のやさしいつくりかた 小宮山亮磨訳 以下の文書はThe Journal of Irreproducible Results, Volume 25/Number4/1979. P.O. Box 234 Chicago Heights, Illinois 60411(訳注1) より転載。 1.はじめに アメリカ合衆国法廷で、原子爆弾のつくりかたを記した記事の大衆誌掲載を制限する判決がいくつか下されたために、近年世界的な論争が巻き起こっています。そのような情報が世間に広く知れわたれば、国家の安全が危うくなるから、というのがおきまりの判決理由です。でも、大都市にあるほとんどの図書館に行けば、原爆製造に必要なすべての情報がすぐ手に入るのはよく知られていることで、したがって裁判所の公式見解がもっと重要な要素、すなわち平均的な市民はアホすぎて原爆なんか作れやしないという事実を隠蔽せんとするもので

  • 経済フォーカス:労働市場を改善するには。

    (The Economist Vol 379, No. 8475 (2006/6/17), "Economic Focus: Intricate Workings," p. 86) 山形浩生訳 (hiyori13@alum.mit.edu) 失業を改善するには、各種政策を慎重に混ぜ合わせねばならない。 OECD の新しい雇用戦略 12 年前に、OECD は『雇用戦略』 (Jobs Strategy) を発表した。これは政府(おもにヨーロッパの)が、高止まりしている失業率を減らすのに使えそうな提言を一覧にしたものだ。それはごく短いものだった。ポイントは10点、そして 200 語以下だった。今週、OECD はこの戦略を「述べ直した」が、長さは 6 倍、提言ポイントは20点、そしてそれが4つの「原則」のもとに置かれるようになった。追加の文言は、一部はただのお飾りだ。が、一覧が長くなった理由の一部

  • 原油は枯渇しませんったら。

    底なしのビールジョッキ ------世界の原油が枯渇しそうにない理由 (The Economist Vol 375, No. 8424 (2005/04/30), "A Survey for Oil" 所収の "The Bottomless Beermug," pp. 13-15) 「石油は人の心の中にあるのよ」というのは、アメリカの産油地帯でよく見かけるバンパーステッカーだ。これには一理ある。ダニエル・ヤーギンはピューリツァ賞受賞の石油史『石油の世紀』を書いたが、かれは石油の歴史が驚異的なイノベーションの連続だと論じている。1859 年にはエドウィン・ドレイク大佐が、露天掘りではなく掘削によってペンシルバニアで石油を掘り当てた。これは古代中国の塩掘削の技法を応用したものだった。これが世界初の原油バブルを引き起こし、当然ながら原油が市場にあふれて価格が暴落してバブルは破裂した。 1901

    morutan
    morutan 2006/06/26
    (1)新技術によって未開発の油田に埋蔵されている石油(2/3が不経済だとして放棄されている)が利用できる、(2)未探索の油田がまだたくさんある、(3)探索技術の向上、(4)技術イノベーターの増加
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