質問:作者の死後明らかに70年(※1)以上たっており,著作権が切れている古星図、 油絵,版画などの著作物を、その所有者の承諾なしに,HPにて公開できるか? 答え:非営利のHPなら、官民を問わずできます.(2000.5.13現在) ■古美術などの所有者の権利 昭和59年から現在までの判例によれば、古美術の所有者の所有権は、 著作物の正当な使用をさまたげられません.たとえばある美術館の所有する 作者死後70年以上経過した古い絵画が、連絡なしにどこかの非営利のHPで使われていた,この場合美術館は そのHPに使用のさしとめや苦情をいう権利はありません. 所有権は、その実物を公開したり、奥にしまったり、貸したりすることが できるだけで、電子データや写真になったものに対しては何ら効力は ないというのが,ここ20年の一貫した解釈となっています. (判例ではすべて美術品の所有者が敗訴しています.)
市の児童公園の時報代わりにするため、有名な童謡をカリヨンに収録し、定時に演奏する装置を作りたいのですが、問題がありますか。 人の集まる広場や児童公園等に、時間になると音楽を自動演奏するカリヨン(鐘)が設置されていることがあります。カラクリ人形等に組み合わせているものもあり、ほほえましいものも多いと思います。 ところで、このカリヨンに童謡を組み入れて定時に演奏する装置を作るとなると、音を固定することになりますから、著作権法にいう録音に該当します。したがって、童謡を収録する場合、著作権の保護期間内(原則として死後50年の経過内)のものであれば、著作者の複製権が働き、著作者から許諾を得なければなりません。なお、著作権法にいう複製とは、印刷、写真、複写、録音、録画その他の方法により有形的に再製することをいいますから、録音は複製に該当します。日本の音楽家の場合は、日本音楽著作権協会(JASRAC)
高齢者の福祉問題の放送番組をビデオ録画し、福祉課でライブラリーを作ったり、役所のロビーで放映していますが、問題がありますか。 テレビ放送をビデオにとるということは、番組を複製するということです。家庭で見たい番組を録画してあとで見ることは、よくあることでしょうが、これは、私的使用のための複製が法律で認められているからできるのです。しかし、役所の部署でライブラリーを作るために無断でとるなどということは、私的使用のためとはいえず、違法です。複製権の侵害になるからです。 そこで、何の複製権侵害になるのかを、少し説明することとします。 テレビ放送番組に関係している者は、きわめて多種多様にわたっています。福祉番組というのですから、ドラマのように原作や脚本はないかもしれませんが、それでも話の筋立てをプロの作家あるいは高齢者福祉の専門家が構成しているかもしれません。当然、お話やインタビューの出演者がい
広報誌に市販の図鑑から野鳥の写真と説明文などを抜き出し、図鑑名、出版社名なども表示掲載し、住民に配布していますが、問題がありますか。 図鑑に載っている写真は写真の著作物、説明文は言語の著作物として著作権法によって保護されています。したがって、無断でこれらの写真や説明文を抜き出すことは複製権の侵害になります。また、写真の一部分をカットしたり、説明文の一部分のみを抜き出した場合には、著作者の同一性保持権を侵害したことにもなります。 なお、図鑑全部をそっくりコピーしたわけではなく、野鳥の写真と説明文の一部のみを抜き出すことは、引用であって著作権法上許されると考えている人もいると思います。しかし、著作権法第32条1項によって許される引用とは、公正な慣行に合致し、かつ、報道、批評、研究その他の引用の目的上正当な範囲内で行われるものでなければなりません。たとえば、報道や批評を行う際に、他人の写真や説
ビデオソフトを図書館の外に貸出してもかまいませんか。音楽CDの貸出とは違うのでしょうか。 ビデオソフトは通常映画の著作物と考えられており、図書館等の資料の貸出とは違う扱いをされておりますのでご注意ください。 映画の著作物には、他の著作物と違って「頒布権」という独特の権利があります。「頒布」というのは、有償であるか無償であるかを問わず複製物を譲渡又は貸与すること、とされております。 この頒布権は、元々は劇場用映画の配給権に基づくものといわれ、映画製作者がどの映画館に何日間上映するために貸与するか等について決定する権利を持っているものです。現行法ではビデオソフトは映画の著作物と考えられておりますから、当然のことながら、ビデオソフトの権利者に頒布権があり、原則的には許諾を得ないと一般の利用者に貸出ができないことになります。 映画以外の著作物に貸与権が認められた時の法改正で、営利を目的とせず
市立の図書館で子どもたちに対してお話し会(朗読サービス)を、視覚障害者に対して録音サービスをしようと考えています。著作権で注意すべきことはありますか。 朗読サービスと録音サービスでは大きな違いがあります。前者は、権利者の許諾を得なくともやってよいが、後者は許諾が必要だからです。 対面朗読あるいは一定の人数の利用者の前で他人が発行している図書等を朗読することは、本来的には著作権の1つである「口述権」が働きます。口述とは「朗読その他の方法により著作物を口頭で伝達することをいう。」と定義づけられておりますのでこの権利が働きます。 しかし、著作権法第38条の制限規定に該当すれば、権利者の許諾を得ず、自由にサービスができます。すなわち、(1)営利を目的としない、(2)聴衆から料金を徴収しない、(3)朗読する人に報酬が支払われない、という3つが揃った場合がそれです。 2006年5月に日本書籍出版
デジタルカメラや携帯電話を使って資料を撮影する利用者がいますが、図書館としてはどう対応したらいいのでしょうか? Q3で書きましたように、著作権法には「私的使用のための複製」という規定があり、この規定に該当すれば、利用者は、著作権者に無断で複製することができます。 そこでも書きましたように、図書館がコイン式複写機を設置して、何ら職員がチェックすることなく、極端に言えば、本の一冊丸々複製も可能という状況は、著作権法第31条の「図書館等における複製」という厳しい条件下で複製サービスを認めている趣旨からして違法といっていいでしょう。 デジタルカメラや携帯電話の場合は、大量に撮影することは余り考えられず、例えば、料理本の1ページを写真にとるとか、新聞に載ったニュース記事などを撮影するような利用の仕方で、それほど、権利者の利益を侵すとまでは言えないようにも思えます。 しかし、著作物の宝庫である図
書店で無料でしか手に入らないチラシ「これから出る本」にコラム「本の周辺」があって、そこに、展覧会図録についての提言があった。 樺山紘一「ミュージアム・カタログを市場に」『これから出る本』(2007.1上期)p.7 これを要するに、 図録は価値があるのに書誌コントロールが及んでないし、公共図書館にもないが、 ほかのイラスト付きの出版物とくらべると、かなり安価。つまり絶対のお買い得 という。現在、西欧では5000円程度はするのに、日本では2500円程度だと。 けど、樺山先生がいうには、 まるで地下出版のように、世間の眼をはばかるように流通している。(略)〔けど古書市場にはあり〕不自然きわまる。ここらで抜本的な改革が必要だろう。つまり、専門のミュージアム図録販売店をつくる。 樺山先生、いま印刷博物館長やってるとのことだけど… 部下にはみせたのかなぁ? だってわちきの理解では、展覧会図録はまさしく
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