全国の小中学生らに一人一台のタブレット端末などの配備が進む中、閲覧や使用を制限する「フィルタリング」を学校側が設定しても、子どもが抜け道や裏技を使ってゲームや動画サイトに熱中する問題が起きている。「GIGA(ギガ)スクール構想」を掲げ政府が主導した高価な学習用端末が「ゲーム機」となってしまう状況に、学校関係者や保護者は頭を悩ませている。 (北村希)
「この審議会の議論は、もっともだと思う。でも、学校現場がどう考えるかを思うと、気が重くなってしまう。限られた時間しかないのに、学校に期待されていることが、あまりにも多すぎると感じるからだ」――。ICT活用と小学校の教科担任制について論点整理をまとめた10月4日の中教審初等中等教育分科会で、出席した委員から学校の教育現場への配慮を求める、痛烈な意見が表明された。新学習指導要領の完全実施に向けた道筋を議論している中教審初等中等教育分科会は、いわば教育改革の本丸。そこで展開された本音トークは、出席者に強い印象を残したようだ。 発言したのは、初等中等教育分科会の委員を務める西橋瑞穂・鹿児島県立甲南高校校長。ICT環境や先端技術の効果的な活用によって、教育現場に大きな変革を促す論点整理案を巡る自由討論の一場面だった。 「世の中が大きく変わっていて、教育も変わらないといけないことはよくわかる」。西橋校
夏休み明けに子どもの自死が多発することから、この時期は、無理をしてまで「学校に行かなくていい」といった声かけが広くおこなわれている。その一方で俳優の春名風花さんが、いじめる側こそ「学校には来ないでください」と訴えたところ、その一連のツイートが爆発的に拡散されている。だれが学校に行くことを保障されるべきなのか。いじめ加害/被害の視点から考えたい。 ■いじめ被害者の側が学校を休まなければならない!? 春名さんは、私たちが働きかけるべき対象を被害者から加害者へと移す。その主張は、明快だ。ツイートの一部を紹介しよう。 他人の学ぶ権利を邪魔するのならば、学校には来ないでください。いじめなんてせず、真面目に学校に通いたい人達の迷惑になります。そして、いま現在いじめを受けている皆さん。あなたがたには堂々と学校に行く権利があります。 出典:春名風花 official @harukazechan そもそもい
「教員の残業代は一律4%」 増え続ける仕事と、変わらない給料のワケ FNSドキュメンタリー大賞2019 かつて「聖職」と呼ばれ、地域の文化人、教養人として一目置かれる存在だった教員。しかし、社会の変化に伴い、いつの間にか地域での教員の地位は低下した一方で、過労死や自殺する教員が増えた。 文科省によると過労死ラインを越えて働く中学校教員は約6割。心の病を患い休職している教員は全国で5000人を超えている。 働き方改革が叫ばれるなか、半世紀前の『給特法』という法律がもたらした教員たちの悲鳴が、全国の現場から上がっている。 前編ではこの『給特法』が作られた背景を追う。 (後編:年間5000人の教員が心の病で休職。その裏に改革できない“働き方”) 6割が過労死ラインを超え、5000人が心の病で休職 この記事の画像(10枚) 2018年9月、文部科学省は教員の労働に関する実態調査を公表した。 中学校
「カトリック学校の過去・現在・未来」と題して講演した品田典子氏(日本カトリック学校連合会事務局長)=10月20日、真生会館(東京都新宿区)で 日本のカトリック学校は今、少子化や公立志向の増加という日本社会全体の傾向や、それまで学校を支えてきた司祭・修道者の高齢化や信徒教員の減少など、カトリック学校独自の課題も多く抱えている。そしてさらに、2020年の大学入試改革を含む戦後最大規模といわれる「教育改革」が迫っている。そうした中、カトリック教育界の現場で活躍する人たちを講師としたセミナーが開催された。 セミナーを主催したのは、カトリック社会問題研究所。同研究所は毎年、さまざまなテーマのセミナーを開催しており、今回で55回目。カトリックの学校教育については、過去にも何度か取り上げてきた。 今回のセミナーでは2日間にわたり計5つの講演が行われ、1日目には、日本のカトリック学校・幼稚園800以上が加
NHK「クローズアップ現代+」が8月10日に、夏季特集として「教師への暴力」をとりあげた。14日には、兵庫県内の中学校で生徒が教師にひざ蹴りを入れた事件が報道されたばかりでもある(8/14 神戸新聞)。 これまで教育界において、教師の暴力被害が議論されることはほとんどなかった。警察への通報にも、否定的な意見が多い。教師が被害に遭いながらも、なぜその事態は表だって語られることがないのだろうか。 ■暴行を受けた動画が拡散される 昨年9月下旬のこと、福岡市内の私立高校で、授業中に1年の男子生徒が新任の男性教師を暴行する動画がSNS上で拡散され、「炎上」した。 各種報道[注1]によると、授業中に生徒がタブレット端末で動画を見ていたため、教師はそのタブレットを取り上げた。すると生徒は教壇にあがり、教師の腰のあたりに背後から3回ほど蹴りを入れ、さらには教師の胸ぐらをつかんで脅したのであった。 教師はそ
高校やめ「出て行け」怒鳴られた 入学前の評判は悪い…でも 全日制との違いは? 夜間定時制高校。10年ほど前に高校生だった記者の時代には、少しやんちゃな生徒が行くようなイメージがありました。それよりも昔は、だいぶ荒れていたという話も聞きます。全国的に夜間の定時制が縮小する傾向にありますが、そういえば現在はどうなっているのか。ちょっと怖い、と思いながら何度か通った福井の定時制高校はイメージと全く違いました。どちらかというと大学に近く、自由でのんびりした感じ。生徒たちとおいしく食べた給食を中心に定時制高校での半年ほどの取材を振り返ります。全日制だけでなく、定時制も進路の良い選択肢ではないでしょうか。(朝日新聞デジタル編集部・影山遼) 荒れていた人たちは? 取材をしたのは、記者が2018年の春まで赴任していた福井県。募集を停止する学校が相次ぎ、県内で募集を続けるのは1校だけになっています。2017
アメリカの公立学校の教師は、アルバイトをするのが当たり前だと言います。ことし、ある現象がきっかけで、それが広く知られることになりました。全米6州で教師たちが、待遇の改善や教育予算の拡充を求めて大規模なストライキや抗議デモを起こしたのです。教師たちがいくつものアルバイトを掛け持ちして生計を立てている実態、公立学校の設備の貧弱さがいま、クローズアップされています。いったい、アメリカの公教育の現場はどうなっているのでしょうか?(アメリカ総局記者 佐藤文隆) 5月16日、アメリカ南部ノースカロライナ州の州議会へ続く道を、州の公立学校の教師の6分の1にあたる1万5000人が、教育予算の増額を求めてデモ行進しました。 道路は赤色のTシャツを着た教師で埋め尽くされ、沿道から取材した私は、その迫力に圧倒されました。 教師たちがまず訴えていたのは、学校設備の窮状でした。 さらに印象的だったのは、教師だけでな
朝日新聞デジタルのアンケートでは、先生の忙しさの要因として部活動を挙げる声が多数寄せられました。「悪者」にされてしまうこともある部活動ですが、どのような変化が求められているのでしょうか。外部人材の導入や「週休2日」など新たな取り組みも紹介し、先生と部活動との関わり方を考えます。 先生たちは実際、部活動にどれくらい関わり、どんな思いや悩みを抱えているのでしょうか。 スポーツ庁は昨年7月、全国の中学、高校845校を対象に運動系部活動の実態調査を行い、教員約2万7千人から回答を得ました。その結果、公立高の約6割、公立中、私立高の約5割、私立中の約2割が、平日の活動日数を「5日(毎日)」と答えました。1日の活動時間は、公立中高の約5割、私立高の約3割、私立中の約4割が「2~3時間」を選びました。 運動部の主担当顧問教員は顧問の配置について、公立、私立中教員の4割が「希望する教員のみ当たらせるべき」
先生が忙しい――。学校現場からは悲鳴に近い声が上がり、朝日新聞デジタルのアンケートにも厳しい実態が多く寄せられています。「脱ゆとり教育」やいじめ問題への対応など、先生の仕事は増えています。このままでは、子どもたちの学びへの悪影響も心配されます。有効な解決策はあるのでしょうか。みなさんと考えます。 ■能力や意欲ある人ほど アンケートに寄せられた声の一部を紹介します。 ◇ ●「理不尽な保護者からの要求、非常識な行動や発言には対応が難しい。教員の一番の仕事は学習指導であり、子供の健全な成長を支援することである。より良い仕事になるようにと考えると、どうしても勤務時間内で仕事が終わることはない。今の働き方改革の話題が出るはるか以前から時間外勤務を毎日やってきたが給与面で仕事に見合う保証はないし、頑張ったからといってそれに見合う賃金アップがないのが実情だ」(学校の先生 滋賀県・50代男性) ●「1人担
5月11日に新橋のSL広場で大騒動となった女子高生集団過呼吸騒ぎ。遠足に来た横浜の高校で、新橋での集合時間に遅れた生徒4人が叱責された。その直後に7人の女子生徒が過呼吸の症状を訴え、病院に搬送されたのだ。 そもそもこういう集団過呼吸は頻繁に起こりうるのだろうか。そして「叱る」ことは一切できない世の中なのだろうか。元新聞記者の臨床心理士・西脇喜恵子さんが解説してくれた。 集団発作とは何か 今回、高校生が次々と過呼吸症状を訴えたのは、金曜日の夕方、しかも人通りの多い駅前広場。プライバシーを保護するために大きな目張りがされ、多くのマスコミも繰り出したことで、より騒ぎが大きくなったようですが、このような集団過呼吸、挙げれば似たような事例はこれまでにもありました。例えば2017年をちょっと見てみても次のような例が報じられました。 ・3月、大阪の小学校で音楽の授業中に具合が悪くなったとして、14人が病
先週、毎日新聞の調査により、教員の過労死がこの10年間で63人に上ることが明らかとなった。ただしこれは、「少なくとも」と言わなければならない。なぜなら職員室では、過労死認定の重要な根拠となるはずの労働時間が、そもそも把握されてこなかったからだ。「働き方改革」を掲げている政府は、これまで教員の過労死の数を把握しておらず、認定された数が公になるのはこれが初めてのことだ。 二つのブラック 「長時間労働」と「不払い労働」 学校という職場には、二つのブラックとそれを支える一つの法律がある。ブラックの一つ目は、「長時間労働」である。 文部科学省が2016年度に公立校の教員を対象に実施した「教員勤務実態調査」では、「過労死ライン」(月80時間以上の時間外労働)を超える教員が小学校で3割、中学校で6割ということが明らかになっている。 ブラックの二つ目は、時間外労働の対価が支払われていない、すなわち「不払い
「学び合い教育」で互いに勉強を教え合う生徒たち=福岡市博多区の市立東光中で2017年11月21日、森園道子撮影 学校で生徒が教師に暴力を振るって逮捕される事件が後を絶たない。福岡市では9月、男子生徒が教室で男性講師に暴行する様子を撮影した動画がインターネット上に流出し、男子生徒が逮捕される事件もあった。文部科学省は学校内で暴行などの犯罪行為があれば警察と協力して対応するよう指導するが、教育現場は生徒の将来と校内秩序をてんびんにかけて苦悩している。 福岡市の私立高校では9月、1年の男子生徒が授業中に新任の男性講師から注意されて激高し、講師の背中を数回蹴ったり胸ぐらをつかんだりする暴行を加えた。その一部始終を同級生が撮影した動画がインターネット上に流出したことで事件が発覚。高校は被害届を出し、福岡県警が傷害容疑で男子生徒を逮捕する事態となった。
福岡県内の高校と中学で、校内暴力に関する事件が続いた。9月下旬には、福岡市内の私立高校で授業中に生徒が教師に暴行を加え、その様子を撮影した動画がネット上に拡散し、福岡県警が当該生徒を傷害容疑で逮捕している(以下、高校事件)。10月3日には同県田川市の中学校で生徒が教師の顔を数発殴打する事件が発生。教師はその生徒を傷害容疑で現行犯逮捕をした(以下、中学事件)。 両事件とも事件を校内で完結させず、警察の介入を招いている。校内暴力と警察の問題について考えてみた。(ジャーナリスト・松田隆) ●「対教師暴力事件は1日あたり18件発生」 教師への暴力と警察による関与は、それほど珍しいことではない。高校・中学の学校内における対教師暴力事件は平成26年(2014年)度、6601件(高校591件、中学6010件)発生している。夏休みなども含め1日当たり約18件起きている計算だ。この内、対教師暴力を含め、学校
英国の一部の学校が、キリスト教徒ではない他の宗教の生徒たちに配慮し、宗教教育の授業で「BC」や「AD」という歴史的に用いられてきた暦の用語を削除しているという。行き過ぎたポリティカル・コレクトネス(偏見や差別を含まない中立的な用語)だと批判する者もおり、他宗教者の中からは「誰も気にしない」という声も出ている。 英デイリー・メール紙(英語)は1日、英国内の学校で「BC」「AD」という表記が消えつつあることを伝えた。英南東部イースト・サセックスにある学校のシラバスには、「キリスト教徒ではない人たちを配慮し、現在はBCEとCEが使用されています」と書かれているという。 西暦の紀元前を意味する「BC」(Before Christ=キリスト以前)と、紀元を意味する「AD」(Anno Domini=主[イエス・キリスト]の年、ラテン語)が、それぞれ「BCE」(Before Common Era=共通紀
「ウェブリブログ」は 2023年1月31日 をもちましてサービス提供を終了いたしました。 2004年3月のサービス開始より19年近くもの間、沢山の皆さまにご愛用いただきましたことを心よりお礼申し上げます。今後とも、BIGLOBEをご愛顧賜りますよう、よろしくお願い申し上げます。 ※引っ越し先ブログへのリダイレクトサービスは2024年1月31日で終了いたしました。 BIGLOBEのサービス一覧
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