東京・埼玉幼女連続誘拐殺人事件に、神戸児童連続殺傷事件、そして秋葉原通り魔事件…。ノンフィクション作家の吉岡忍さんは、昭和から平成にかけて数多くの事件現場を取材してきた。吉岡さんがこだわってきたのが「加害者の取材」。理解しにくい存在を排除せず、知ろうとすることが、時代を、社会を知ることにつながるという。吉岡さんに「事件から見た平成の30年間」について語ってもらった。(聞き手:ネットワーク報道部記者 高橋大地) ――平成という時代をひとことで表すと、どのような時代でしたでしょうか。 平成の時代というのはいろんな事件、嫌な事件が多いですけれども、被害者ではなくて加害者のほうばかりと言ってもいいくらいに、加害者側を僕は取材してきたんですね。彼らがどんな子ども時代を過ごし、どんな友達関係があって、そしてなぜ犯行に至ったのか、というプロセスを取材してくると気がついたことがいくつかあって、その1つが「