【記者:Jess Cartner-Morley】 私は川久保玲(Rei Kawakubo)に服のことを聞きに来たわけではない。彼女はもう服を作っていないからだ。それでもなお、川久保は世界で最も重要なファッションデザイナーの一人であり続けている。コムデギャルソン(Comme des Garcons)の5年前のコレクション「Not Making Clothes(服を作らない)」では、細長い黒布でできたおりのような服や、フリルの洪水に半分隠れた鮮やかなピンク色のタイツなどを身に着けたモデルがランウェイを歩いていた。その9シーズン後の今も、パリファッションウィークでは毎回コムデギャルソンのショーが行われている。ブランドの年間売上高は推定2億8000万ドル(約315億円)。それでも、川久保は服を作っていないと主張する。つまり、川久保玲とはどこまでも「ハイコンセプト」 なのだ。 「服を作らない、とはど
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