陸上で繁栄を極めた種の多くがするように、雑魚ナメクジの仲間も一部が海への回帰を試みた。 当時の海中は節足動物的な動物の先祖にあたる動物がブイブイ言わせていた時代。 アノマロカリス類似生物と海サソリ類似生物が仁義なき生態系の頂点争いを日々繰り広げており、多くの種が戦々恐々としていた。 海サソリモドキがアノマロカリスモドキの触腕をハサミで押さえ、 尻尾のトゲでマウントパンチする戦法を発明すれば―― そのために、海サソリモドキの尻尾の可動域は地球の陸サソリ並になった ――アノマロカリスモドキは捕獲を避けるために高速化を押し進め、 触腕を二本の長い角と化す。 そして発達させた視力で遠くから猛ダッシュし、マウント海サソリを串刺しにした。 雑魚の雑魚ナメクジがこの戦いに参入できるはずもなかった。 だが、彼らの存在は生態系の頂点争いに決定的な役割を果たすことになる。 海上では雑魚ナメクジの気温調節能力は