いやあ、これはすごいですね。なんと書けばいいのか。読み終わった後、しばらく、ぼうっとしてました。2つの中篇それぞれに共通しているのが、女の子が人生の思春期を、一人きりで考えて突き進んでいくところ(それが他人からはどんなに奇異な光景に思われたとしても)、色彩(世界、あるいは自分自身)の変化を求めているところ、両親が娘に全く愛情を注がないところ、でしょうか。 「ひかりのあしおと」は、蛍の存在が結果として、誉を助けてくれたことになり、それを誉自身が分かっているところに救いがあると思います。蛍の涙がちょっと意外に思いつつ(純粋にいい人?)、ここでの2人のやりとりは、ほろりとしました。また、全体の文章が主人公の女の子の「ですます」口調なのが、何とも言えない雰囲気を醸し出しています。 「ギンイロノウタ」は、リアルな感じがあると思いました。主人公の思春期を、幼
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