感染拡大の初期、2020年3月にアメリカはセオドア・ルーズベルト号艦内に感染者が出て、作戦行動を中止しています。艦船というのは、狭い空間に多人数を押し込める移動手段ですし、軍隊というのは多数の兵士を狭いところに詰め込んで、斉一的な生活をさせるものですから、軍艦というのは感染症にきわめて弱いわけです。 アメリカの場合、通常の作戦行動は紛争地近海まで空母で移動して、そこからヘリコプターや戦闘機を飛ばしたり、ミサイルを撃ったりするものだった。でも、どこかの船で感染が広がったら、作戦を変更しなければならない。だから、これからどこの国でも、生身の兵士を大量に集めて、戦闘現場に連れてゆくということはできなくなるんじゃないかと思います。それよりはドローンやAI制御のロボットを使って、「人間が死なない戦争」にシフトしてゆくような気がします。 仲野徹教授 社会体制の変化 仲野 ドローン兵器といえば、今やとん