政府は23日、令和5年度予算案を閣議決定した。その内容について、第一生命経済研究所の熊野英生首席エコノミスト、農林中金総合研究所の南武志理事研究員の両識者に聞いた。 熊野氏は「5年間の防衛費の規模を定めた『中期防衛力整備計画』が改められ、これまでよりも桁違いに防衛費が増額された。増額分の財源の大半を増税以外の収入で賄えるのか疑問だ」と述べた。 その上で、「ロシアのウクライナ侵攻で顕在化したドローンやサイバー攻撃への対応も不十分で、防衛費の増額が本当に国民のために役に立つものなのか、明示されていない。今後の防衛方針について、国民的な議論が必要ではないか」と強調。「歳出規模が、過去最大を更新し続けていることも由々しき問題だ。日本銀行が長期国債金利の変動幅を拡大させたことで、政府の国債利払い費の負担が今後、膨らみかねない。財政再建化へ向け歳出抑制を図り、国債発行額を縮小させていくタイミングが今だ