日本総合研究所調査部長 山田 久 わが国の若年雇用は厳しい状況が続いています。15~24歳の失業率は直近4月のデータで9.2%と、全世代平均の倍の水準にあります。もっとも、失業率は最悪期のころからみればやや改善し、今年4月1日時点の大卒就職率も93.6%と、前年の同じ時期に比べて2.6ポイント上昇しました。 しかし、大手企業では就職希望数が求人数を大きく上回る一方、中小企業では逆に求人数が希望数を上回っています。こうしたミスマッチにより、厳しい就職状況が生まれているわけです。それが、2012年3月卒の場合、大手企業への就職希望数が前年対比減り、中小企業への希望数が増えています。この結果、中小企業に入る学生が増え、就職率が上がったものとみられます。 これは、ここ数年、企業規模別で採用のミスマッチが大きいことに対する認識が広がり、行政、メディア、大学の各方面で、状況改善に向けた取り組みがな