東京電力福島第1原発3号機が水素爆発する直前の昨年3月14日早朝、格納容器の圧力の急上昇を東電が公表しようとしたところ、経済産業省原子力安全・保安院が公表を待つよう指示していたことが東電の社内テレビ会議映像から分かった。爆発後には東電が確認しないまま、保安院の主張通り「水素爆発」を追認。2号機への海水注入についても本店側が「もったいない」と発言するなど、必死の作業にあたる現場とはかけ離れた、政府と東電本店の当事者意識の欠如ぶりが浮かぶ。(原子力取材班)「絶対に駄目」 映像によると、14日午前6時ごろ、3号機で、格納容器の圧力を示す数値が急上昇。東電本店にいた小森明(あき)生(お)常務が午前6時10分すぎに爆発の恐れが強まっていることを官邸と保安院に連絡した。これを受け、第1原発の吉田昌(まさ)郎(お)所長(当時)は3号機周辺からの退避を作業員に命じた。 その後、3号機の状況を公表するかをめ