2013年05月11日20:26 カテゴリKnightLiberty歴史 獨裁者リンカーン Tweet スティーヴン・スピルバーグ監督の映畫『リンカーン』は、主演のダニエル・デイ=ルイスをはじめ、好きな役者が何人も出てゐるけれども、觀に行く氣がしない。映畫評で知るかぎり、「奴隸解放の父」こと第十六代アメリカ合衆國大統領エイブラハム・リンカーンをとてつもなく美化してゐるからだ。しかし映畫の宣傳文句や學校で教へこまれる虚像と異なり、リンカーンは自由のために命を賭けたりしなかつた。それどころか、獨裁者さながらに憲法を無視し、市民の自由を踏みにじつたのである。 リンカーン(上) - 大統領選 (中公文庫) [文庫] 映畫は觀てゐないが、ハーヴァード大教授の歴史家、ドリス・カーンズ・グッドウィンによる原作『リンカーン』(平岡緑譯、中公文庫、全三册)はざつと讀んだ。原作なので當たり前とはいへ、この本も