アイドルグループが若者に農業のすばらしさを伝える。そんな独創的な発想で次世代の農業生産者を発掘しようとしている中小企業がある。愛媛県松山市の「hプロジェクト」だ。 飲食サービス業から農業へ転じる 同社の創業者・佐々木貴浩さんは1968年、新居浜市で生まれた。実家は割烹料理店で佐々木さんも幼少の頃から手伝いをしていた。そのため自然と自身の将来も料理の道と考えるようになった。 佐々木さんは高校を卒業すると松山市内の高級ホテルに就職。レストランの厨房で修行し、ホールで接客を学んだ。さらにホテルを辞して飲食店などの勤務を経て、1993年に会社を設立して飲食店を開業した。 「約20年間で10数軒の飲食店を開業・経営しました。中にはダンスショーを取り込んだパフォーマンス型の飲食店なども経営し、繁盛させました」 そんなさまざまな形態の飲食店を経営するうち佐々木さんはあることに気がついた。食材にこだわると