ROI(Return On Investment)は、通常は「投下資本利益率」と訳す。「投下資本」のところを「投資」と略して「投資利益率」と呼ぶ場合もある。親会社や本社の立場に立って、子会社や事業部へ「投下した資本」について、どれだけの「利益」が生み出されたかを評価するために用いられる指標だ。 ○ 資金調達を「有利子負債」に頼るか、それとも「自己資本」でまかなうべきか 投下資本利益率ROIを式で表わすと、〔図表 1〕になる。 〔図表 1〕は、見た目以上に厄介な構造をしているので、簡単に説明しておく。 この式では、分母の「投下資本」を、「有利子負債」と「自己資本」に分解している。「有利子負債」は、銀行借入金や社債など「金融費用を発生させる負債」のことをいう。ROIを社内の業績評価として用いる場合、子会社や事業部が社債を発行することはないので、有利子負債は銀行借入金やリース債務から構成