メディアの王者は、18世紀には出版、19世紀には新聞、20世紀には映画・放送へと移行した。より大きな設備を所有するものが覇権を持ってきたわけだが、Webは情報の複製と配布に必要な設備を無力化し、国境まで取り去ってしまった。ただ出版だけがWebと親和的であり、Webをフルに活用することに死活的利害を持っている。21世紀は出版の世紀となる。Webとの融合によって。 21世紀は出版がメディア産業をリードする 出版界がWebに関心を持ちだしたのは比較的最近のことだ。それどころか、むしろ新聞と並んで最もWeb敵視の風潮が強かったのがこの業界だ。しかし遅れは取り返すことができる。Webの出版環境が、表現において印刷本に近づき、機能においてソーシャルメディアに拡張しつつある現在は、最短期間で最先頭に立つことができる絶好の機会とさえ言える。現在が歴史的転換のピークであり、前進しなければ消滅あるのみという認