東日本大震災の被災地の1つである仙台には、1日も早い復興を目指し、大地震の発生直後から業務再開に向けて始動した企業がある。そうした企業の取り組みは、今回の震災で直接的な被害を受けなかった地域の企業にとっても、システム復旧や事業継続の参考になることだろう。ここで紹介するのは、停電、漏水、ビル内立入禁止、サーバ・ダウンといった幾多の苦難に直面したサイバー・ソリューションズによるノンフィクションの物語である。 Computerworld編集部 その日、彼はいつものように自分の席で開発スタッフの1人と打ち合わせを行っていた。打ち合わせの内容は、現在開発中のプログラムについてである。3月中に顧客に納品しなければならなかったが、開発は計画どおりに進んでおり、さしてスケジュールが切迫していたわけではなかった。そのため、真剣な打ち合わせの最中にも、冗談やプライベートな話題が自然と混ざっていた。 彼の名は