最近、楕円曲線の理論を解説している数学書をいろいろ読んでいるのだけど、出色の本があったので紹介しようと思う。それは、シルバーマン&テイト『楕円曲線論入門』足立恒雄・他訳(丸善出版)だ。とは言っても、きちんと読んだのは、まだ第1章だけで、あとはざっと眺めただけなのだが、それでもはっきり、「すばらしい本」だと評価できる。 楕円曲線論入門 作者: J. H.シルヴァーマン,J.テイト,Joseph H. Silverman,John Tate,足立恒雄,木田雅成,小松啓一,田谷久雄出版社/メーカー: 丸善出版発売日: 2012/08/25メディア: 単行本この商品を含むブログを見る 楕円曲線というのは、高校で教わる「楕円」とは異なることに注意しよう。楕円曲線は、(yの2乗)=(xの3次多項式)という方程式で定義される曲線であり、楕円(a(xの2乗)+b(yの2乗)=定数で定義される)とは全く異な