水冷式CPUが排出する55℃と比較的低温の廃水から、連続的に冷水を製造し、サーバルームの冷却に使う。工場施設の冷却では冷水を用いる手法が既にあるが、その冷水を製造するためには、ボイラーなどの高温の熱エネルギー源から排出される比較的高温の廃水を利用しなければならなかった。 富士通研究所は、CPUから発生する廃熱を利用して、サーバルームの冷却に使う冷却水を製造する技術を開発した。 クラウドサービスの進展に伴い、データセンターの消費電力が今後増加する見通しである。データセンターの消費電力の約40%は、IT機器の冷却のための空調に使われており、空調効率の改善による消費電力の削減が求められていた。 富士通研究所が開発したのは、CPUから発生する廃熱を利用して、15~18℃の冷水を連続的に製造する技術である(図1)。具体的には以下の2つの新技術で実現した。 (1)55℃の低温で効率的に水を乾燥可能な新