恋愛結婚は近代から 現在、日本人の結婚の約87%が恋愛結婚となっており、恋愛による結婚こそ男女の結合の自然な形態であるという考えが広く普及しています。しかし、歴史研究の進歩によって、恋愛と結婚が強く結びつけて考えられるようになったのは、ごく最近、厳密には近代に入ってからであることが明らかになってきました。そもそも日本で「恋愛」という言葉が使われるようになったのは、実は明治時代になってからのことです。当時、『女性雑誌』という雑誌の主宰者をしていた巌本善治が、英語の「love」に「恋愛」という言葉を当てはめた最初の人物であると言われています。彼は、「恋愛」とは「清く正しく」「深く魂(ソウル)より愛する」ことであり、「恋」のような「不潔の連感に富める日本通俗の文字」とは異なって、非常に崇高で価値あるものであると説きました。彼の恋愛論をきっかけとして、「恋愛」という言葉や感情・行為が広く社会に浸透
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