【シリコンバレー=佐藤浩実】米ウォルト・ディズニーは10日、学校で性的指向や性自認について議論することを禁じる法案への反対を表明した。南部フロリダ州で成立が見込まれる同法案は性的少数者(LGBTQ)の子どものいじめにつながるとして物議を醸しているが、これまで企業としての立場を明言せず社内外の批判を浴びていた。リベラルと保守が対立する議題への対応の難しさが浮き彫りになった。10日に開いた株主総会
ロシアによるウクライナ侵攻について、世界中の報道機関が時々刻々と伝える中で、メディアやジャーナリストが人種に絡めた問題表現を使っているとの批判が相次いでいる。 米CBSニュースのあるベテラン海外特派員はウクライナについて、「長年にわたり紛争が続いてきたイラクやアフガニスタンとは違う」とし、慎重に言葉を選びながらも、「これは比較的文明化され、欧州に近い都市だ。このような事態は予想できなかったし、起きてほしくもなかった」と述べた。 また英BBCの番組では、ウクライナの元次長検事が、ロシアとウクライナの紛争が自分の感情を揺さぶる理由として、「金髪の青い目をした欧州人が殺されている」と発言した。 メディアの世界では、微妙な言い回しによって特定の人種グループがさらに疎外される例が、数えきれないほどある。視聴者はメディアの表現により、戦争や紛争が、先住民や黒人の暮らす「第三世界」や「開発途上国」のみで
中東ではない「文明化された国」で ロシアによるウクライナ侵攻は世界を震撼させ、各国メディアはウクライナ一色になった。だがその報じ方に、「不快なトーン」が混じっていると指摘する声も上がっている。 それは、ウクライナをイラクやアフガニスタンなどの中東と比べたうえで、より「文明化された国」という文脈に落とし込もうとするものだ。 米「CBSニュース」のベテラン戦争特派員チャーリー・ダガタは2月25日、ウクライナの首都キエフからこうリポートした。 「ウクライナは、失礼ながら紛争が何十年も続くイラクやアフガニスタンとは違います。ここは比較的文明化した、比較的ヨーロッパ的な国なのです。慎重に言葉を選ぶ必要はありますが、ここはこんなことが起こるなんて想像できなかった場所なのです」 “Civilized” pic.twitter.com/AiU7uVmjMr — Imraan Siddiqi (@imraa
「聾者は障害者か?」。 そう問いかけられたなら、私は思わず答えに窮してしまうだろう。 しかし、ある高校生が、この問いかけを力強く全国に向けて発信した。 生まれてからずっと耳が聞こえず、そうした環境で生きてきたことを、誇りに思っている女性だ。 今、「多様性」ということばが頻繁に世間で飛び交っている。 そのことばの意味を問い直すきっかけとして、ぜひ、彼女の文章を読んでほしい。 一ツ橋文芸教育振興会が主催する「全国高校生読書体験記コンクール」。 ただの読書感想文とは異なり、本を読んだことで自分の内面や生活にどのような変化が起きたかを2000字以内にまとめる。 タイトルも独創的であることが求められるため、個性的で、高校生が書いたとは思えない力作も少なくない。 今回は全国から8万3538の体験記が寄せられ、8つの作品が入賞。 そうしたなかで最優秀の「文部科学大臣賞」に選ばれたのが、筑波大学附属聴覚特
過度なダイエットから、過食と嘔吐へ 食事制限と運動という典型的なダイエットに取り組み始めると体重が目に見えて減っていく感覚にのめり込み、カロリーは1日あたり500キロカロリーまでに制限。それしか食べていないのに6時間立ち仕事のバイトをした後に5駅歩いて帰宅するなど、明らかに行き過ぎた運動をするようになりました。 しばらくそんな生活を続けていると、ストレスのせいか身体的な異常のせいか時々自分でも制御できないような強烈な食欲を感じるようになり、過食と嘔吐を始めました。食べたいけど食べるのが怖い。食べてしまう意志の弱い自分が憎い。食事に誘ってくる友人を迷惑に思うこともありました。 それから数年経って、こんな生活を一生続けられるわけがないと思い、ようやく健康的な食生活に戻ることを決意しましたが、自分に植え付けられた恐怖心や身についてしまった嘔吐の習慣を手放すまでには長い時間がかかりました。 身長に
『サラリーマンはなぜサーフボードを抱えるのか?』。このタイトルを見て、あなたは何を想像するだろうか。働いているサラリーマンが休憩中にサーフィンにでも行くのか? はたまた、サーフィンが大好きなサラリーマン? など、一見共通項がなさそうな2つのものに対して、想像を膨らませることだろう。 これは、日系アメリカ人のグラフィックデザイナーである真崎嶺(まさき れい)が自費で出版し、日本のデザイン業界における白人至上主義とその背景について綴ったバイリンガルの本である。 “なぜ日本の広告には白人のモデルが多いのか”、“どうして商品のパッケージには間違った英語が使われてしまうのか”、“どうしてブラックフェイスやステレオタイプの黒人像がバライティやCMで流れてしまうのか”など、日本のクリエイティブ業界に存在する人種差別に対して、疑問を掲げた一冊だ。 自分の人種を自覚すること ニューヨークで生まれ、ニューヨー
令和3年9月2日 当協会公式アカウントによるTwitterにおける多数の差別的投稿に関して 尾瀬ガイド協会 会長 石塚 照久 このたびは、尾瀬ガイド協会(以下「当協会」といいます。)の公式Twitterアカウント(「[公式]尾瀬ガイド協会」@ozekouhou。以下「本件アカウント」といいます。)が複数の差別的な投稿を行った件及びその後の当協会の不適切な対応につきまして、衷心よりお詫び申し上げます。 本件につきまして、当協会として調査を行い、弁護士関与の下、これらの投稿の問題点を改めて明らかにするとともに、このような事態を生じさせてしまった原因を明確にし、担当者の処分、全会員の研修等を含む、信頼回復のための今後の取組の予定等について検討いたしましたので、以下のとおりご報告させていただきます。 第1 本件の経緯について 1 当協会は、2019年(平成31年・令和元年)より、当協会内に設置され
『ルックバック』作品内に不適切な表現があるとの指摘を読者の方からいただきました。 熟慮の結果、作中の描写が偏見や差別の助長につながることは避けたいと考え、一部修正しました。 少年ジャンプ+編集部 https://t.co/Vag51clfJc
7月19日に公開された藤本タツキの漫画「ルックバック」は傑作だった。CSM以来の藤本ファンとしては、この作家の底知れない引き出しの多さに驚愕したし、予告されているCSM第二部への期待感がいやがうえにも高まった。とはいえ、私は自分がこの作品のほんとうの素晴らしさを理解できているとは思わない。本作は「漫画家についての漫画」であると同時に、これまでになく藤本の個人史を投影したとおぼしい作品だ。それゆえ、実際に漫画制作に関わった経験のある人ほど、その素晴らしさを深く理解できるであろう。 私は特に物語後半の「じゃあ藤野ちゃんはなんで描いてるの?」という問いかけに続く無音のシークエンスがことのほか好きで、そこだけ何度も読み返している。藤野のネームを読んだ京本のうれしそうな笑顔、涙ぐむ京本にティッシュを渡す藤野、ただ京本を喜ばせたかった、という想いが画面全体から溢れ出してくる。藤本作品は良く映画的、と言
特段「共働き」と言うまでもなく、両親が働くことがごく普通になっている昨今だが、それでも食事の支度は“お母さん”というイメージはなかなか固定的であるようだ。兵庫、京都、岡山の女子高校生が、ファミリーマートの「お母さん食堂」というブランド名に素朴な疑問を抱き、この名前を変えたい、とオンライン署名を呼びかけている。 署名活動に協力しているガールスカウト日本連盟(東京)によると、この高校生たちは2019年夏、同連盟のジェンダー平等について考えるプログラムに参加したのを機に、性別によって役割を決めつけることがない社会をつくるための活動を開始。商品名が人の意識に与える固定観念への影響が大きいと考え、この署名活動をスタートした。 「お母さん食堂」という名前は、誰もが「料理をするのはお母さん」という印象を与え、女性=家事・育児という固定観念を払拭する妨げになっている。今は男性も家事育児をする人が増えている
なおみがマンガで登場 テニス選手の大坂なおみとマンガといえば、昨年初めにスポンサー企業の日清が彼女を描いたアニメ広告で「肌の色を白く」して物議を醸した一件が記憶に新しい。 日清は、非白人のキャラクターを白人化する「ホワイトウォッシュ」をやったとして非難された。大坂は「私の(実際の)肌の色が小麦色なのは明らかなはず」とコメントし、「今度、私を描くときは、まず私に相談してほしい」とつけ加えた。 あれから2年弱、その「今度」は大坂の意見を参考にしながら進められたようだ。 12月28日発売の月刊「なかよし」で、大坂なおみを主人公として描いたマンガの新連載がスタートする。監修は、大坂の姉で、テニス選手でイラストレーターでもある大坂まりが担当した。 ????BIG NEWS???? なかよし2月号(12/28発売)から、#大坂なおみ 選手がキャラとして登場する 「#アンライバルド NAOMI天下一」
色づき始めた秋の森を抜け、波静かな入り江を渡り、スウェーデンの首都ストックホルムの中心部から郊外電車で30分ほど走ると、コンクリートの団地群が姿を現した。低所得の労働者が暮らす街ボートシルカだ。人口の約55%はシリア、アフガニスタン、インドなどからの移民やその子どもたちで、国籍は160にも及ぶという。 8月、ここで深夜に犬を散歩させていた12歳の少女が射殺され、社会を揺るがした。近くでは毎晩、武装した移民系若者らによると見られる発砲音が響いており、流れ弾を受けたと考えられた。一帯の治安は数年前から悪化し、「行けない地域」(no-go zone)と呼ばれていた。 コンクリートの団地が並ぶボートシルカの街並み この事件にとりわけ衝撃を受けたのは、ボートシルカで住民の交流の場となってきた「多文化センター」だった。問題を深刻に受け止めたスタッフのミカエル・モールベリさん(56)は、移民の代表者とと
作家・北原みのりさんの連載「おんなの話はありがたい」。今回は、群馬県草津町で賛否が問われている女性議員に対する解職請求(リコール)について。議会を傍聴してきた感想をまとめた。 【写真】焦点の一つとなった町長室の中は? * * * 町長からの性被害を訴えた草津町議員に対するリコールの賛否を問う住民投票が12月6日に迫っている。 衆院議員の杉田水脈氏の辞職を求める声に14万筆近く集まっても、国会議員を辞職させることはできない。一方、地方議員となると、辞職勧告や懲罰のハードルが下がるのだろうか。 乳児を議場に入れた熊本市の緒方夕佳議員が、のどあめをなめたと出席停止処分を受けたのは2018年。宮古島への自衛隊誘致に反対し「(自衛隊がくると)婦女暴行事件が起こる」とSNSに記した石嶺香織市議(当時)が辞職勧告を受けたのは2017年(SNSについては後に謝罪のうえ撤回)。徳島県藍住町では、水道光熱
女性が数学を苦手なのは社会から「女性は数学が苦手だ」という圧力を受けているのが原因であるというような内容の研究を紹介しているブログが話題になっている。 だがこれはアカデミックな場ではとっくに否定されている見方だ。 こういったものはステレオタイプ脅威(Stereotype threat)と呼ばれるが、概ね以下のようなものと説明される。 「男女に数学の問題などを解かせるなどする前に、『女性は数学の点数が低い』というようなステレオタイプな説明をした場合は女性の点数が下がり、『女性の数学の能力は男性と同等』というようなステレオタイプを解消するような説明をした場合は点数が同一になる。 これはつまりステレオタイプを無意識に意識してしまうことで脳内のワーキングメモリが圧迫され、能力が低く出てしまうということである。」 こう言った概念は1995年にクロード・メイソン・スティールとジョシュア・アロンソンが提
ナイキが11月28日に公開した動画について、インターネット(SNS)上で激しい論争が起きています。何が起きているのかを解説します。 3人のサッカー少女について取り上げたナイキCM 論争の的となっているのは、ナイキのCM「動かしつづける。自分を。未来を。 The Future Isn’t Waiting. | Nike」です。 3人のサッカー少女がスポーツを通じて学校や社会でのいじめ(差別)、自分のアイデンティティについての悩みから解放される様子が2分間の動画で表現されています。 CM内では黒人ハーフの少女が大坂なおみ選手のBLM支持の動画を見る場面も。筆者キャプチャ このCMに対して「いいCMだった」、「朝から泣かすなよ」、「次はナイキにするか」と評価する声が挙がる一方で、「不愉快」、「日本人の多くが差別をしてるかのような印象操作」、「NIKEは2度と買いません」と批判する声も挙がっていま
ナイキが制作し公開したCM は、予想されたとおりに一定の反発と、称賛と、様々な議論を読んでいます。 私はもちろんこのCMについて肯定的な立場に立つものですが、中には不買運動などを主張したり、Twitterで怒りの感情を吐露するユーザーも居るようです。 このような怒りが適切なものであるかどうかは別にして、そもそもなぜこのような「社会的な」CMが作られたのかを解説しましょう。 話は2年前にさかのぼります。ナイキが「Just do it」キャンペーンの30周年の記念キャンペーンとして広告塔に起用したのは、コリン・キャパニックというNFLの選手です(動画のアフロの人)。 彼は優れたQBではありますが、ペイトン・マニングやトム・ブレイディのような「殿堂入り」級の選手ではありません。おそらく、ほとんどの日本人はコリン・キャパニックのことを知らないでしょう。 あなたが知っていたとすれば、NFLに詳しいか
動かしつづける。自分を。未来を。 #YouCantStopUs https://t.co/EEkOkOOeLt https://t.co/aPnZcPAO05
大学のミスコン批判が相次いでいる。運営団体の不透明性や、ルッキズムに対する世間の注目が背景にある。そんな中、2020年に上智大のソフィア祭実行委員はミスコンを廃止。「ルッキズムやジェンダーの問題に向き合い多様性を尊重する新しいコンテストを開催する」と発表した。これらは朝日新聞、東京新聞など大手紙でも肯定的に報道され、期待が集まった一方で、実現性を疑問視する声も多く見られた。 そして11月3日、新型コロナウイルスの感染拡大を受けオンライン開催となったコンテスト。上智大学の学生である筆者も視聴したが、残念ながら充分に「多様性を尊重した」と言えるものでは無かったと思える。結局グランプリを取ったのは、ユニドル(学外にファンを持つ、アイドルのような活動をする女子大生グループ)として活動する美人の女子大生。なぜ、そのような結果となってしまったのか。そして、これからの時代のミスコンはどうあるべきなのか―
11月11日にWebメディア「cakes(ケイクス)」において、『ホームレスを3年間取材し続けたら、意外な一面にびっくりした』という記事が公開された。 この記事は、「cakesクリエイターコンテスト2020」の優秀賞を受賞した作品ということもあり拡散されたが、同時にSNSなどで炎上した。 本稿執筆時点では、記事の冒頭に編集部から以下のような追記がされている。 「※本記事は、ホームレスの方々のプライバシーに配慮し、掲載許諾をいただいた上でお届けします。著者とホームレスの方々との関係性についての説明が不足していたため、2020年11月16日11:28に本欄と本文の一部を修正しました。同17:06に著者からのコメントを本記事の末尾に追記しました。」 記事の問題点を述べる前に、私自身の紹介をしようと思う。 私は普段、ホームレス状態の人や生活困窮者への支援をおこなう「認定NPO法人自立生活サポートセ
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