この「持続不可能」な労働の問題は、ノーマだけでなく世界の高級飲食店が等しく構造的に抱えているものでもある。 高級飲食店は人件費の度合いが大きい労働集約型産業であり、下ごしらえが細かく複雑であればあるほど多くの人手が欠かせない。日本の同様の高級飲食店においても、ノーマのような無給の研修生こそいないものの、法定労働時間をはるかに超えた労働が常態化しているところが多い。創造性が必要な料理は、労働時間を度外視して情熱をかたむける必要があることが多いからだ。 本来ならその労働力は給与として支払われ、料理の価格に反映されるものでもある。NYTの記事では、ノーマでも2022年10月から研修生への支払いを開始し、毎月少なくとも5万ドルを上乗せしたと報じている。 またデンマーク「TV2」の記事では、ノーマは今後3カ月単位の無給労働はさせられなくなり、6カ月か12カ月の雇用となること、給与も2万デンマーククロ