前回は、コンピュータの中だけでなく、外の世界とやり取りするフィジカルコンピューティングを紹介した。新しいユーザーインタフェースを考えることで、既存の常識にとらわれない可能性を試すことができる。しかし、もし私たちの思考が用いる言語によって制限されているとするならば(サピア=ウォーフの仮説)、プログラミング言語も例外ではないのかもしれない。今回はScratchを“分解”し、その中身を観察して改造を試みる。 ソースコードの入手 ScratchはSqueak Smalltalkで記述されている。そのソースコードを見る方法には、第3回で紹介した「Shift-Click-R」がある。しかし、これは裏技で、表示されるソースコードもバイトコードをデコンパイルしたものだった。そのため、本来のソースコードには記述されているコメントが消え、一時変数名も機械的に付けられている。 MITメディアラボはScratch