理想気体分子が分子同士または容器壁と完全弾性衝突を繰り返す様子。分子同士が衝突するためには分子は有限の大きさを持たなければならない。 理想気体(りそうきたい、(英: ideal gas)または完全気体(かんぜんきたい、(英: perfect gas)は、圧力が温度と密度に比例し、内部エネルギーが密度に依らない想像上の気体である[1]。気体の最も基本的な理論モデルであり、より厳密な他の気体の理論モデルはすべて、低密度では理想気体に漸近する。統計力学および気体分子運動論においては、気体を構成する個々の粒子[注 1]の大きさが無視できるほど小さく、構成粒子間には引力が働かない系である[2]。 実際には、どんな気体分子[注 2]にも、ある程度の大きさがあり、分子間力も働いているので、理想気体は実在しない。理想気体に対して現実の気体は、実在気体または不完全気体と呼ばれる[3]。実在気体も、低圧で高温