1996年7月、フランスの写真家パスカル・メートル氏は、アフガニスタンのバーミヤン渓谷の岩山に彫られた巨大な仏像を3度目指したが、すべて失敗に終わった。氏は「レクスプレス(L’Express)」誌の取材でアフガニスタンの首都カブールに滞在していた。カブールからバーミヤンまでの距離は100マイル(約160キロ)にも満たない。それでも出発の朝になると、運転手は毎回キャンセルした。報酬を弾むと言っても無駄だった。 後で判明したことだが、ルート上の検問所には武装集団が人を配置し、四輪駆動車を手に入れたがっていた。現地の人々は車が没収されるとわかっていたのだ。最終的に、メートル氏は友人に助けを求めた。数日後、メートル氏はすし詰めの通勤客ごと路線バスをレンタルし、ペラハン・タンバンと呼ばれるアフガニスタンの男性が着るチュニックとパンツを着用して検問所を切り抜けた。
![爆破から20年、バーミヤン大仏を撮っていた写真家の危険な潜入 写真9点](https://cdn-ak-scissors.b.st-hatena.com/image/square/ecb56ca53b76e71724975e91a84de8588800cddc/height=288;version=1;width=512/https%3A%2F%2Fnatgeo.nikkeibp.co.jp%2Fatcl%2Fphoto%2Fstories%2F21%2F032500021%2Fph_thumb.jpg)