関東大震災からことしで100年。発災直後、「朝鮮人が井戸に毒を入れた」などと流言が広がり、多くの朝鮮人や中国人が殺害された。一方で、日本人が殺された事件をご存じだろうか。「福田村」、現在の千葉県野田市で、幼児や女性を含めた9人の日本人が朝鮮人と間違われたことなどをきっかけに地元の自警団に殺された事件である。事件の引き金となったのは、震災直後の混乱の中、募る不安や怒りから生まれた「流言」だった。長くその詳細は語られてこなかったが、いま、様々な形で伝え継ごうとする人たちがいる。その思いとは、そして、今を生きる我々に問いかけるものは何か。 (千葉放送局成田支局記者 武田智成) 福田村事件とは 事件を伝える新聞記事 福田村事件は、関東大震災から5日後の1923年9月6日に起きた。当時、震災直後に「朝鮮人が井戸に毒を入れた」などと流言飛語が飛び交う中、各地では自警団が結成される。福田村でも、消防団や
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