2つ折り型の携帯で人気を集めた「NEC」、薄型の端末を相次いで投入した「パナソニック」ー。2000年代の初め、国内の携帯市場には日本の電機メーカーが相次いで新製品を投入して活況を呈していました。 しかし、その後、急速に普及したスマートフォンで海外勢に出遅れ、7月末にNECはスマートフォンの開発生産からの撤退を表明しました。なぜ“日の丸携帯”は、追い込まれたのか。経済部の柴田明宏記者が解説します。 7月ショック!? 先月31日、かつて国内携帯市場でトップを走っていた2社の発表が大きな注目を集めました。 一つはNECです。7月31日をもってスマートフォンの新規の開発・生産から撤退することを発表したのです。NECの携帯電話事業の営業赤字は、ことし4月から6月までの3か月間で約90億円。去年の同期比で1.5倍に拡大し、とりわけ業績が悪化していたスマートフォンの事業は継続が困難と判断したためです