彼の両親は「できちゃった婚」で、しかもお互いその気のない結婚だったらしい。 なので夫婦の関係は彼が物心ついた頃にはとっくに冷え切っていて、彼が中学を卒業する頃にごく自然な流れで離婚。 親権はなんだかんだで父に移る。主な理由は母親が彼の養育を拒んだためで、拒んだ理由は、彼の外見が父親似だったためらしい。 彼曰く父親は「生来の女好きの駄目人間」だったそうで、離婚の翌年には幼い娘を抱える女性と再婚。 しかしそんな彼の父親も「(彼曰く)天罰が下」り再婚から三年後に急逝。多くの場合、こういう事態となった子供は実母の所に戻るそうだが、彼の場合はそうならなかった。 理由の一つとして実母の拒否。しかも遠方で別の男性と再婚しており、妊娠中だった。 要するに、「消し去りたい過去」の象徴である自分が傍に居るのは我慢ならなかったのだろうと後で彼は述懐する。 逆に、「父親に似ているから」という理由で継母(父親の再婚