米国の新聞業界はこのところ活気を減らしているが、新聞記者や新聞社が大活躍する映画を久しぶりにみた。全米で4月中旬に封切られた「State of Play」。ステート・オブ・プレイとは「事の形勢」というような意味で、2003年にイギリスのBBCのテレビドラマとして人気を博した作品のハリウッド版のリメイクだ。 舞台をロンドンからワシントンにそっくり移し、主役の新聞記者は人気スターのラッセル・クロウが演じる。彼の所属する新聞社はワシントン・グローブとされ、イラクやアフガニスタンの戦争を背景に、米連邦議員の調査活動をめぐってナゾの殺人や秘密の恋愛の真相があばかれていく。 一見は正義の連邦議員が悪の戦争請負警備会社の罪状を追及していくという構図だが、二転三転し、ドラマは意外な展開をみせる。戦争を支持する側は邪悪、反対する側は正義という単純な色分けも覆される。 ストーリーはあくまで主人公の新聞記者の断