27日、デジタル教科書教材協議会が発足し、マイクロソフト、ソフトバンクなども加わった70社で、政府の指導のもとに「実証実験」などを行なうことが決まった。電子書籍を教育に利用するのは結構なことだが、それによって教育の内容をどう変えるのかという論議はまったく見えない。 同じような話は20年前からあり、当時の文部省は「教育の情報化」と称してBTRONという日の丸パソコンを全国に配布しようとしたが、まったく使い物にならなかった。90年代後半には「教育のネット化」と称して、フィルタリング・ソフトがたくさん開発されただけだった。今度の話も、電子書籍ブームに便乗して、デジタル教科書という名前の「官公需」を当てにして集まっただけではないのか。 特に気になったのは、ソフトバンクの提案だ。「全国2000万人の学生と教員全員に無料でiPadを配布する」と宣言して聴衆を驚かせたが、実態は「デジタル教科書のリース料