システム開発頓挫を巡り、アルミ建材大手の文化シヤッターと日本IBMが互いを訴えた裁判。一審判決は日本IBMに対して約19億8300万円の支払いを命じたが、2024年5月16日の控訴審判決では賠償額を約20億500万円に変更した。一審で85%としていた日本IBMの過失割合を二審で90%に引き上げたのだ。過失相殺の割合が変更されるのは珍しいという。裁判記録を基に判決の経緯を読み解く。 話は2015年1月に遡る。文化シヤッターは20年以上利用していた「販売管理システム」の刷新を検討していた。日本IBMを開発ベンダーとして選定。日本IBMの提案により、米Salesforce(セールスフォース)のPaaS(プラットフォーム・アズ・ア・サービス)「Salesforce1 Platform」の利用を決めた。 同プラットフォームには標準部品と呼ばれるモジュールが提供されており、これらを組み合わせることで開