北前船「長者丸」:漂流記「春の曙 徒然はなし」、富山市郷土博物館で初公開 /富山 毎日新聞 11月23日(水)15時7分配信 ◇「史実踏まえ、歴史的資料」 鎖国下の江戸時代後期、太平洋上で遭難して漂流した末に、乗組員4人が5年後に奇跡の生還を果たした富山の北前船「長者丸」の漂流事件について書かれた和本「春の曙 徒然はなし」が富山市郷土博物館(同市本丸)で初公開されている。同事件が書かれた小説仕立ての漂流記はこれが初めてで、同館の坂森幹浩・専門学芸員は「史実を踏まえており、歴史的資料としての価値は高い」と話している。【青山郁子】 長者丸は富山の売薬商家「能登屋」が所有した北前船。1838(天保9)年、北海道から薩摩に昆布を運ぶ途中、三陸沖で遭難。乗組員は太平洋上を約5カ月間漂流した後、アメリカの捕鯨船に救助された。ハワイ島で約1年間過ごした後、カムチャツカ半島やアラスカなどを経て43年に