まだまだ続く政権移行期 牧原 出=政治学者 菅直人内閣が発足して半年が経過した。参議院選挙の敗北以後、首相の影が薄く、尖閣諸島問題では対中外交で失点を重ね、国会でも閣僚の失言が続く。国民から呆れられ、いよいよ支持率も危険水域に達したというのが、新聞記事の筋書きである。 が、安倍晋三内閣以後の自民党内閣も、充分に政権の基礎を固められないまま、一年内外で崩壊したのではなかっただろうか。そろそろ小泉純一郎内閣以後をまとめて振り返るときであろう。 その際に注意したいのは、政権移行の過程である。アメリカでは大統領選挙後、新大統領が就任するまで政権移行チームを組織し、大統領移行法に基づいた公的助成を受け、政策・人事・予算などで円滑に旧政権からの移行を図る慣行がある。イギリスでは、総選挙前に野党幹部が一部の官僚と懇談をすることが認められるダグラス=ヒューム・ルールズがある。 いずれも、そのとき