ケータイ、TV、PCが「同期化」――「ワンソース・マルチデバイス」という“究極のIT環境”に動くグーグルの勝算について、経済評論家の大前研一氏(67)はグーグルの2つの弱点を指摘する。 * * * 一つは広告収入を成長の原動力としてきたグーグルは、一般ユーザーとの間に「帳合」(支払い方法)を持っていない(利用者の財布を握っていない)ことだ。逆に、帳合を確立したIT企業の代表例がアマゾンである。グーグルもオンライン決済代行サービス「グーグルチェックアウト」を提供してはいるが、利用者数は伸び悩んでいる。 2010年11月、グーグルCEOのエリック・シュミットは、アンドロイド端末に日本の「おサイフケータイ」同様の電子決済機能を搭載する計画を発表したが、その意図するところは明らかだ。グーグルTVで視聴者が映画やゲームなどの有料コンテンツをダウンロードしたり、ショッピングをする際には、おのずと