「今欲しい物は三味線と着物。もう一度お座敷に上がりたい」。釜石最後の芸者と言われ、津波で自宅を失った藤間千雅乃(ちかの)=本名伊藤艶子=さん(84)が、釜石市内の避難所で一日も早い復興を望んでいる。 藤間さんは6歳ごろから日本舞踊を習い、14歳から市内の料亭で芸者として働いてきた。 震災時は、市役所そばの自宅から高台にある廃校になった中学校体育館までを、近所の男性におぶってもらい避難した。商売道具の三味線と着物は持ち出せなかった。「悔しいけど、持ち出そうとしていたら、今こうしていないかもしれない」と振り返る。 年下の人たちの災難に胸を痛めている。同居するおいの伊藤哲さん(63)は無事だったものの、自宅は全壊。古くからの知り合いも大勢命を失った。「なじみの若いお客さんも亡くなった。こんなに悲しいことはない」と嘆く。 生まれ育った街は見る影もない。「復興まで何年かかるか分からないが、ま
震災で大きな被害を受けた岩手県山田町で、同町出身の医師沼崎太さん(37)=北海道八雲町=が、ボランティアとして被災住民の診察に当たっている。 「体の調子はいかがですか」「薬はまだ残っていますか」 沼崎さんは25日、避難所の山田高に設けられた救護所で、避難所や周辺の住民相手に問診などを行った。睡眠不足や吐き気を訴えたり、高血圧を気にしたりと症状はさまざまだ。沼崎さんは「衛生面の悪さから、感染性胃腸炎などの患者もいる」と指摘する。 町南部の織笠地区出身。盛岡市の高校から北海道の医大へ進んだ。現在は北海道南部の八雲町の病院で循環器内科の医師として働く。 震災が発生した11日は病院勤務だった。夜にテレビで被害の大きさを知った。すぐに古里に戻りたかったが、実家の父親と連絡が取れたのは18日。その後、山田町から被災地入りを打診され、24日未明に古里へ入った。 かつて親しんだ光景はもうなかった。
東京電力福島第1原子力発電所の原子炉を冷却するための真水を積んだ米軍の2隻目のバージ(はしけ)船が26日午後、米軍横須賀基地(神奈川県)を出港した。エンジンがないため海上自衛隊の多用途支援艦が曳航(えいこう)している。 1隻目は25日に横須賀基地を出港、27日中に到着する予定。バージ船は約1300トンの水を積むことができ、1号機近くの岸壁から給水ポンプを使って冷却水タンクに水を送る。 第1原発の冷却作業は海水を中心に行われてきたが、蒸発で結晶化した塩による原子炉などへの悪影響が懸念されており、米軍が真水を注水できるバージ船2隻の提供を申し出いていた。 【関連記事】 1号機地下の放射能汚染、作業員に事前周知せず 1、2号機地下に水 工事中断 3号機の水 放射能1万倍 屋内退避の在宅介護者を搬送へ 東京消防庁 馬淵氏を首相補佐官に 福島第1原発を担当 東日本を襲った大地震 今
菅直人首相は26日、馬淵澄夫前国土交通相(50)を首相補佐官に起用した。馬淵氏には、放射能漏れを起こしている東京電力福島第1原子力発電所の対応を担当させる。首相補佐官は内閣法で5人以内と決められているため、寺田学氏(34)が退任した。これで、菅首相の補佐官は、馬淵氏のほか藤井裕久、細野豪志、辻元清美、芝博一の4氏の体制になる。 馬淵氏は首相補佐官に起用されることで、民主党広報委員長を辞任する。 【関連記事】 ・馬淵氏が「ポスト菅」に名乗り? 深夜に若手40人と集会 ・内閣官房参与に日比野靖、山口昇氏 ・菅首相メッセージ(1)「農家には確実に補償と支援」 ・蓮舫氏、飲料水などの「品薄感は解消傾向」 ・「電気料金体系を変えては」 与謝野氏が提案
東日本大震災以降の原子力発電所の放射能漏れや計画停電、余震などによる不安の高まりから被災地や首都圏を離れ、西日本で“避難出産”する妊婦が増えている。厚生労働省は各都道府県に被災地の妊婦受け入れを求める通知をしており、関西の助産所や病院では受け入れ態勢の整備に本格的に取り組み始めている。(北村理、有川真理) 神戸市東灘区の毛利助産所(毛利多恵子所長)では震災以降、関東方面から2人の予約があるという。東京都大田区在住の女性(32)は第1子を同助産所で産む予定で、宮城県内の実家も被災したことから親戚の住む関西での出産を決めたという。 女性は「臨月での移動は大変でしたが、受け入れてくれる助産所があって一安心です」。毛利所長は「安心して出産できる環境を整えることが大切。できる限り力になりたい」と話す。 東京都内の浄水場から乳児向けの暫定基準値を超える放射性物質が検出されるなど子育てをめぐる環境
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