残心(ざんしん)とは、日本の武道や芸道において使われる言葉である。私は剣道をしていたので、この言葉を知っているし、よく使ったものだ。相手の面を打った(他に小手や胴、突きなどを打突すること)後、それで終わることなく気を抜かないことである。 ホッとした瞬間、相手が反撃するかもしれないし、こちらもまだ技を仕掛けるチャンスもある。要するに、一つの動作(打突)のその後も気を抜かずに備えること、そう教えられたのだ。 もう剣道をすることはないが、社会人になった今でも、残心は私の心根に沁みついている。そして、何事に付け、知らず知らずに残心をしている時がある。 例えば、クライアントに提案をした後、もっといいアイデアがあったのではないかと思うことがあるし、出掛ける時の支度をした後、もう一度、くどいように身支度を確かめる。簡単なことでは、お客様をお見送りするとき、相手が見えなくなるまでお見送りするのも、私にとっ
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