名古屋市千種区の派遣社員、磯谷利恵さん(当時31歳)が07年8月、拉致・殺害された事件で、強盗殺人罪などに問われた3被告の公判が8日、名古屋地裁(近藤宏子裁判長)であり、証人として利恵さんの母富美子さん(57)が出廷した。利恵さんが3被告に教えたとされる「2960」という銀行口座の虚偽の暗証番号について「『憎むわ』という意味の語呂合わせで、誰かに自分の気持ちを伝えたかったのだと思う」と述べた。 事件では、愛知県愛西市内の駐車場の車内で、包丁を手にした堀慶末被告(33)から「いいかげんしゃべれ」とすごまれ、利恵さんは小さな声で「2960」と漏らした。だが利恵さんを殺害後、3被告が奪ったキャッシュカードで現金自動受払機(ATM)から預金を引き出そうとするとエラー表示が出た。 利恵さんは4けたの数字で語呂合わせをするのが好きだったという。富美子さんは「(口座に残っていたのは)『家を建てる』と